黒より暗い白
□5匹目
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お昼ご飯を食べ終えた昼休み。
「ふわぁ」
思わず欠伸をするとそれに気づいたなのはが優しげな声音で言う。
「瑚白眠そうだね」
「昨日はよく眠れなかったんです……」
ときどきある不眠状態。
「そうなんだ」
「はい……」
また欠伸が出そうだ。
「瑚白はハーブが好きなんだよね?」
和心が思い出したように尋ねてくる。
「ハーブティーはいいです。落ち着きます」
いつから、というわけではないがハーブティーやお茶が好きになっていた。
「黒根ちゃん」
「あ。高木さん。どうかしましたか?」
声をかけてきたのは同じクラスで同じ生徒会の高木志乃。
彼女とはあまり話すことはないがこちらを気づかってくれているというのをいつも感じていた。
「放課後、会議があるから終わり次第来るようにって。一緒に行こう」
「はい。わかりました」
「じゃあ、また後で」
高木が手を振り、グループへ戻っていく。
手を振り返してから再び欠伸をした。
《……眠い……》
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