永久なる絆を紡ぎだせ
□出会い
1ページ/11ページ
辺りは静寂に包まれ、先が見えないほどの暗闇が広がっている。
しかし、どこからか微かながらも人の荒い息遣いが聞こえる。
「ハッ・・・ハァ・・・くっ」
右手で左側の腹を押さえながら賢明に走る少年と思しき者。
腹から流れ出る血は止まっておらず、服が赤黒く染まり、手を伝って地を濡らす。
血を流しすぎたせいか、意識が朦朧とし視界が霞んできた。
耐えろ。せめて、助けを呼ぶまでは・・・!
でなければ死んでしまう!
己を叱咤しながらなんとか足を動かす。
後ろからは、先程と変わらず大髑髏が追いかけて来ている。
心の中で舌打ちをし、走り続ける。
すると、人の話声が少年の耳に届いた。
あの角からかっ・・!
僅かな希望を抱き、角を曲がる。
目に入ったのは自分より少し下くらいの少年と白い異形だった。
少年と異形は大きな目を更に開き、驚愕している。
「・・・っ」
この少年が化け物を退治できるわけがない。
姿を見た瞬間、そう思った。
しかし、心のどこかでそれを否定している自分がいる。
わからない。どちらが正しいのか。
だが、自分はもう限界だ。この少年に懸けるしか道はない。
そうして、怪我を負っていた少年は意識を手放した。