おはなし
□放課後に
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放課後。
生徒会室で一人で残って仕事をしていると
ガラガラと扉の開く音がして
「…よぉ。」
いきなり藤崎がやって来た。
「なんだ。」
素っ気なく返事を返すと、椅子の後ろに回られ、ぎゅっと抱き締められた。
「おめーに会いに来たんだよ。」
「っ///」
優しい声にドキドキしつつ、それを隠して藤崎に応える。
「な、何故ボクに…。」
「なんで、って…お前に会うのに理由なんていらねぇだろ。」
…っっ!!///
さっきから何なのだ!!
一挙一動がおかしいだろう!!
歯の浮くような台詞ばかり…///
「椿はオレに会いたくなかったのか?」
「っ…。」
「こっち向いてオレの目ェ見て。」
「ぅわっ!?///」
椅子を回され正面を向かされる。
まっすぐに瞳を見つめられて、顔が赤くなってしまう。
「オレに、会いたくなかった…?」
…ずるいではないかっ…///
「…あ、会いた、かっ…た…///」
「ん、素直で可愛い。」
ちゅっ、とおでこにキスをされた。
「もっと欲しいか?」
「…言わせるな、愚か者っ…///」
「椿から聞きたいの。」
「っ…///………ほ、欲しい…///」
クスッと笑って、頬に、鼻にキスをする。
…口には何故かしてくれない…。
「藤崎っ…その…///」
「して欲しいなら、おねだり。」
「っ…///」
意地の悪い…っ…///
「口にも…その…き、キス…して、欲しい…///」
「りょーかいっ。」
藤崎の手が優しくボクの頬に触れ、唇にキスをされる。
「ん…椿、甘ぇな…。」
「味なんてしないだろう。」
「いや、甘いよ。すげー甘い…だからもっと…。」
「んっ…藤崎…///」
一度許してしまったら、藤崎は止まらなくなった。キスの嵐がボクに降ってくる。
「んっ…ぁ…藤さ、きっ…もぅ…///」
「だめだ。まだまだ足りねぇ…。」
「んんっ…///」
深く、深くキスをされ、頭がぼーっとする。
「…ふじ、さき…///」
「なんだ?」
「…………好き……///」
「っ…///…オレも、椿のこと大好きだぜ。」
ぎゅうっと抱き締めてもらった体温が心地好くて、いつまでもこうしていたかった。
end.