浮気男と女王様
□出逢い…全4P
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そんな事を考えていたら身仕度を整えた茶髪の先輩は金髪に濃厚なキスを仕掛け
「絶対だよ、晴海。」
「分かってるって。じゃぁね、先輩」
金髪に手を振られ部屋を出ていこうとする茶色の先輩は邪魔をした俺を睨み付け横を通り過ぎた。
――何で俺が睨まれなきゃなんないんだ!?
この場合見たくも無いもん見せられた俺が文句の一つや二つ言える立場だろ。
苛立ちは顔に出ていたのだろう金髪の男は高1とは思えない妖艶な雰囲気を醸しながら
「もしかして男同士は不毛だとかキモいってタイプ?」
含み笑いで俺に問い掛けた。
その言葉の中には『小せぇ』と言う勝手な俺に対する評価が含まれていて
「別に、その事に偏見は無い。好きにしたらいい。ただ、見たいとも思わない。此処は俺の部屋でもあるんだから此処でするなら最低限のルールは作っておきたい」
俺が何に対して不愉快に思っているのかを告げ向かって左側の自分の荷物を並べた引き出しからルーズリーフを取り出し、自分が考えられる最低限のルールを箇条書きにし金髪の眼前に差し出した。
本当は机に叩きつけたかったのだかそこには先程迄ヤツが座っていたから生々しくて本人に向ける事にした。
「これだけは守って貰う」
「恋人を連れ込むな……か、ならセフレなら良いんだな?」
「はぁ?セフレ?」
「そう。さっきの先輩もやるだけのお友達。恋人以外なら連れ込みオッケー?」
「うんな訳あるか!あぁいった行為を此処でするなって」
説明するのも馬鹿らしく金髪から渡した紙を取り上げ"セフレ含む"と書き足し、金髪の胸に叩きつけた。
「これが俺達のルールだ、絶対に守れ!」
「達ってお前が一方的に決めただけだろ?理不尽じゃねぇ?」
「俺がお前みたいにだれかれ構わず連れ込む事は無い。だから良いんだよ」
「ハッ、随分勝手なヤツ」
「お前程下品じゃないだけましだ」
矯めつ眇めつ眺める値踏みする獣の眼差しを睨み付けた俺。
視線を反らしたら負けな気がして頭一つ大きな金髪と対峙する事数分。
もしかしたら数秒だったかも知れないが無言の睨み合いは金髪の言葉に依り終わりを告げる。