浮気男と女王様

□出逢い2…全2P
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「早まったか……」

 俺の口から溜め息と共に零れ落ちた言葉に苦笑を洩らす。

 今更後悔しても仕方ない。
 火の粉が降り掛かるなら今迄同様振り払えば良いだけだ。

 そう、それだけだ……。

 入学して数ヶ月。
 第一印象最悪な藤本との生活は以外な事にうまくいっていた。

 藤本が初日渡した誓約書の内容を守っている為に。

 連れ込む事は無いが外泊は日常茶飯事で話を聞く限り寮内、学校外には男女多数のセフレを要している藤本は泊まる場所に困らないそうだ。

「もてるのは結構だが、1人に絞る気は無いのか?」

 何となくで一緒に居る機会が多い藤本と顔を突き合わせての昼時不意に口にしてしまった。

 選び放題なのだからその中から1人を選んだ方が楽じゃないのか?と言う一般的な見解だったのだが藤本は俺とは違う価値観の持ち主だった。

「1人にすると飽きんじゃん。例えば、どんなにビーフカレーが好きでも365日ビーフカレーは飽きるだろ?偶にはカツカレー、シーフードと種類が有る方が良い」

「つまりはお前にとって彼女、彼氏とのSEXはビーフカレーで数多くのセフレはカツカレー、シーフードカレーって事か……」

 ――人がカレーを食べてるのだからせめて例えはカレー以外にしろよな。

 動かしていたスプーンを皿に戻し、文句を口にしようと思ったが藤本にそんな気遣いを求めるだけ無駄だ。

 一応俺への質問への答えを受け

「理由は分かった。食い過ぎて食当たりしない様に気を付けるんだな」

 半分程残してしまったカレーの乗ったトレーを持ち立ち上がった俺の手を藤本が強めに握り締めた。

「人が偶に気遣ってやったからって気安く触るな」

「偶に優しくされたから触ってんだよ」

「そうか。それなら2度と優しくしない事にしよう」

 振り払おうとした手を更に力を強め握り締めた藤本を睨み付ける。

 ――いい加減にしろよ!

 本格的に抵抗する為の行動に移る前に藤本が真剣な眼差しで口を開く。




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