浮気男と女王様
□出逢い…全4P
1ページ/4ページ
晴海と出会ったのは入学式。
そこそこ有名な大学付属のこの学校には居ないだろうと思っていた金髪に、いくつものピアスが飾れた耳。
はっきり言って『よく入れたなこいつ』が第一印象で、次いで思ったのは『卒業迄関わりたく無い』だった。
入寮は入学式の三日前からで実際殆どの生徒は既に顔合わせが終わっていたにも関わらず晴海を見たのは初めてでその事に人知れず不安を抱きながら自室へと向かう。
不安は的中。
自室の扉を開けた先には関わりたく無いと思ったばかりの金髪が備え付けの勉強机に腰掛けズボンの中から取り出したアレをフェラさせてる最中だった。
「なっ!?」
「と、先輩。タイムアウトだ」
入って来た俺に驚く訳でも無く、軽い口調で金髪は下腹部にある茶色のフワフワした髪に指を絡め茶色の頭を離そうとしたが茶色の頭は横に振られ
「や…だ……あひょ…すほし……」
――咥えたまま喋んなよ
半ば呆れながら俺が居るにも関わらず続行する茶色の頭は動きを阻止する訳でも無く添えられているだけの手を退かし上下に揺れ始め。動きに合わせジュポジュポといやらしい水音がリズミカルに室内に響く。
「同室のヤツが帰って来る迄に俺をイかせられたらって約束だったでしょ。このまま先輩がしゃぶりたいならしゃぶってて構わないけど俺は先輩を抱かないよ」
生々し過ぎる会話に眉を顰め2人から視線を反らす。
この時室内から出ていくと言う選択肢が俺には無かった。
此処は自分の部屋なのに何故俺が出ていかなきゃ為らない。此処で出ていくのは俺じゃなくおまえらの方だと訴えたかった。
――ってやっぱりこいつが同室だったか……。
荷物は在るのに入寮から一度も姿を見なかった同室者。そして今日初めて見た金髪。頭に過った最悪な予想が的中し
――最悪だ……。
胸の内で嘆息した。
「じゃぁ、今日も僕の部屋に泊まってよ」
「だから、それを賭けたフェラだったんでしょ。今日は先輩の負け。また行くからさ」
「……絶対だからね」
「ああ、先輩の締まり具合良いからね、絶対また行くよ」
カチャカチャとバックルの音を耳にしながら不躾ながらもああしまっているんだな。とか考えてしまった。
――不躾なのはあっちか。
相部屋なのだからするにしろ同室のこの場合俺の許可を得てからするべきなのだ。
別に俺はこの環境じゃそういった行為を同性とするのも構わないと思うし、本気で恋愛するのも結構。
ただ、最低限のルールは決めときたい、特に金髪[コイツ]との場合そこをきっちり決めとか無いとこれから1年何度同じ現場を目にするか分かったもんじゃない。