No.6

□生死
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『......だいっきらぃ......本当やだ.....なんで...っ!』







どしゃ降りの雨の中


キィキィ音をたてる自転車をこぐ




雨と涙のせいで前が見えない






けど、それでもいい









事故って



あの人が私を見てくれて




私の方を向いてくれたら....










ふと 横を見る






ーーーー迫る車ーーーー
ーーーーーーー雨でブレーキがきかないーーー
ーーー車の人の引きつった顔ーーーー













『え.......』















盛大な雨の合唱の中


静かに響く救急車の音




自転車のタイヤが止まることなくカラカラと音を響かせた































ゴゥンゴゥン......


頭の中で響いてるのか、外で鳴ってるのかすら分からない


分かるのは鼻をつく異臭








『げ....何....ここっ!ゲホッゲホッっ!』





ガゴォン.....




真っ暗な中、足下が急になくなったような不安がよぎる


(その不安は的中だったわけだがw)





落ちていくのをどうにかしようと何かにつかまる.....と、それは骨の折れた傘で.....







『きゃぁぁぁぁぁぁあああ.......あぁあ!?』










周りのゴミと流されると、急に目の前が白くなる





あ、外だ.....







と思うが早いか背中に激痛










「っっつ!......っったぁぁぁ....」








....背中をさすりつつ立ち上がる....



と、そこにはさっきの傘がここぞとばかりに突き出していた









ーザリッー












!?






振り返る間もなく、のどもとに冷たいものが当てられる









それがナイフだと分かるのにそう時間はかからなかった
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