TOV The First Strike 〜重なる3本目の道〜
□騎士とギルド
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「よう。元気良いな、騎士さんよ。目ぇ見てもういっぺん言ってみな!」
「チンピラのリアクションはどこも一緒だな」
「ああ!?」
「近ぇよ。そっちの気はねぇぜ?」
「てめぇ!!」
熱くなる相手と対照的に、ユーリは淡々と不敵な微笑を浮かべて流していく。その態度にキレたスキンヘッドは勢いよく立ち上がり、ユーリの胸倉をつかみにかかった。
しかし、ユーリは自分のコップを持って立ち上がり、男の手から逃れると同時にそれを投げつけた。中に入っていた水はスキンヘッドに見事にひっかかる。相手は更に頭に血を上らせ、両者を隔てているテーブルを横に倒してユーリに殴りかかった。
だが、ユーリはそれをかわし、足を使って器用に持ち上げた木造りの椅子でスキンヘッドを店の壁に激突させ、ノックアウトにしてしまった。それを見た残りの二人もユーリに拳を振るっていくが、それはかすりもしない。ユーリは彼らの攻撃を華麗に避け、拳での反撃を続けていく。
それはいつの間にかエスカレートし、酒場にいるほとんどのギルドの男達がユーリに群がり、集団で彼に喧嘩を売る始末となっていた。
「フレン、止めてよぉ」
乱闘から逃れたヒスカは、カウンター席で我関せずとしているフレンに向かって言った。
「ユーリが勝手に始めたことじゃないですか。僕には関係な――ッ!」
そこまで言いかけて、フレンの言葉は突如途切れた。ユーリに吹っ飛ばされたスキンヘッドが、静かに水を飲んでいたフレンを見つけるや、その端正な顔面に拳を入れたのだ。
すぐそばに居たヒスカは、といえば、そのスキンヘッドがこちらに向かってくるのに気がついた途端、小さく悲鳴を上げてその場から退避していた。
「てめぇ、スカしてんじゃねぇぞ!!」
「……関係ないって、言ってるだろ!」
スキンヘッドは怒りの矛先を、ユーリの仲間だと判別したフレンへと向けたようだ。
が、絡んだ相手が悪かった。
フレンは振り返りざまにスキンヘッドを殴りつけ、相手はまたもや吹っ飛ばされてしまった。
しかも、今の一撃でフレンにも火がついてしまったらしい。彼はそのまま、乱闘会場へと肩を怒らせながら歩いていった。
一方、そんなことなど知らないユーリは、複数の男たちに囲まれながらも変わらず優勢に立っていた。拳で殴り、身を低くして攻撃をかわし、振り向きざまに飛び蹴りをくらわしていく。
しかし、その着地地点には酒瓶が転がっていた。ユーリはそれを踏みつけてバランスを崩し、後ろで構えていた男に羽交い絞めにされてしまう。身動きできない彼は、他の男からこれまでのお返しと言わんばかりに顔面に拳を入れられてしまった。
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