side story1

□甘く難解な食卓
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「……駄目だ。
解読に時間が掛かる。
カミュ、読んで。」



お手上げよ、とメニューを渡すとクスクス笑いながらカミュは受けとった。

前菜からメニューを読んでくれるが名前だけではどんな料理か予想がつかない。



「オリーブは分かるわ、オリーブは。
あと、多分サラタはサラダのことでしょう?
クロケットって何?」

「パン粉を塗して揚げたものだな。」

「愛華さん、コロッケみたいなものですよ。」

「なるほど。
分かりやすい。
じゃあザジキは?」

「キュウリをすり潰してヨーグルトを加え味付けした物だな。」

「…名前だけ聞くと魚みたいなのに。
どれがお勧め?」



少し考えてカミュが言う。



「愛華はチーズは好きか?」

「うん。
チーズは好きよ。」

「ならばせっかくなのでサガナキにしませんか?」

「…アイザック君、何?そのサガナキって。」

「チーズに焦げ目がつくまで焼いただけなんですが、美味しいですよ。」

「じゃあそれで。」



前菜でこれでは時間が掛かりそうだ。

しかしせっかく食事を一緒にさせてもらうので堪能したい。

そしてあわよくば自分でも作れるようになりたい。



「愛華、ここは豆のスープが美味いんだ。
オススメはファンラーダかヒヨコ豆のスープだな。
どちらにする?」

「ファンラーダってどんなの?」

「俺も食べた事ないです。」

「いや、氷河もアイザックも食べた事があるぞ?
前にミロがシベリアに来た時に作っていたではないか。」

「……あの真っ赤なポトフみたいなやつですか?」

「まあ当たらずしも遠からずと言ったところだな。」

「愛華さん、よければ違うのを注文して半分ずつにしませんか?」

「え、良いの?
嬉しい。
ありがとね、アイザック君。」

「では適当に種類を頼んで皆で食べるか?
その方が色々食べれて愛華も良いだろう。」

「うん。
もうわかんないから任せた。
食べる時にまた説明して。」

「分かった。
好き嫌いはないな?」

「うん。
あとはもうカミュにお任せ。」




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