side story 2

□4月の花嫁
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「………どうしたのですか、その格好。」



暖かくなり始めた聖域の白羊宮の前。

今や伝説になりつつある青銅の少年4人がスーツ姿で立っていた。



「あれ?
ムウは聞いてないのか?
今日は愛華さんの結婚式だぜ?」

「はぁ!!?」

「え、本当に聞いてないんだな。」

「黄金聖闘士は全員スーツ着用で教皇宮に集合だぜ。」

「え、えぇ…
しかし相手は誰ですか?」

「さぁ…僕達も聞いていないんです。
でも教皇宮でするなら聖闘士なんじゃないですか?」

「まぁ何にせよ早く着替えるんだな。
俺達は先に行くから、後から上がってくるといい。」

「…わかりました。
先に行っていてください。」





「アルデバラーン!」

「どうしたんだ?
皆してそんなにめかし込んで?」

「あ、やっぱアルデバランも聞いてないんだ。」

「今日は愛華さんの結婚式ですよ。
ほら、これ招待状。」



瞬が豪華な装丁の二つ折りの紙を開いて見せる。

が、しかし日本語で書いてあるためアルデバランには愛華の名前とアテナの会社のマークしか分からなかった。



「アルデバランもスーツに着替えて教皇宮に来いよ。
後からムウも上がってくるからさ。」

「俺達は先に行っておく。」

「この分じゃ他の奴らも知らないだろうからな。」

「そ、そうか…
では後から追い掛けるとしよう。」



きょどきょどと動揺するアルデバランを他所に少年達は十二宮を上り続けた。






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