side story 2
□おかえりから、Ωへ
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はじめに
この番外編は『おかえり』シリーズからテレビ版の『Ω』へのパラレルなお話です。
もし『おかえり』から繋がるならどういった話になるかを書いてみただけでつじつまが一部合わなくなっています。
尚、オマケの話なので連載の予定もございません。
以上をご理解の上お楽しみください。
「今、何と…………?」
彼女の美しい瞳が見開かれる。
驚愕と困惑の色を映した色で私を見た。
「さよならよ、沙織ちゃん。
いえ、アテナ。」
「どうして突然…」
「星見です。」
「シオン…」
「新たな戦いが…始まるのです。」
どこかで薄々感づいていたのだろう。
泣きそうに顔を歪めて叫んだ。
「ならば私はもう一度立ち上がりましょう!
私の聖闘士と共に世界を守る為!」
「……そこに黄金聖闘士は、
いないわ。」
「いいえ!
ここにいるではありませんか!
確かにここに!」
「彼らは本来ならばここにはいない。
戦いで落とした命を、また戦いに費やすことは出来ない。
彼らはただ人として生きることのみを許された。
世界の理をこれ以上歪めてはいけない。」
「しかし彼らは…!」
「聖戦で命を落とした闘士は皆、連れていくわ。」
「嫌です……嫌、嫌!嫌!」
「アテナ!」
ビクリと彼女が揺れる。
その頬を涙が伝う。
「彼らは私が連れていきます。」
「お姉様……」
「エリシオンで待っています。
戦いが終わるのを。
世界が平和を勝ち取ったその時には、また地上へと戻ることを約束しましょう。」
「エリシオン…?」
「世界の為に戦った貴女の聖闘士は私が責任を持って預かります。
涙を拭いて立ちなさい。
盾を持ち、鎧を纏い駆けなさい。
アテナ、貴女は戦女神でしょう。
ニケの祝福を持って新たな戦いを掌握なさい。
その時生きる為の命はまた地上へと戻ってくるわ。」
「また、会えるのですか?
彼らはまだ地上で生きることを許されているのですか?」
「もちろんよ。
神に愛された子。
転生が決まるまではエリシオンで貴女に呼ばれるのを待っているわ。」
「………やりましょう。
私は戦い、勝ちます。
何度でも戦います。
世界の愛と平和の為。
私の聖闘士達が再び戻って来た時に恥ずかしくないような世界である為に。」