side story 2

□どっちが好きなの!?
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「愛華は年上と年下、どっちが好きだ?」

「は?」

「やっぱ年下だよな?
こう、母性本能をくすぐったり、年下だけど男らしい一面とかのギャップ萌えでさ!」

「萌えって…」

「いや、年上だろう?
年上のみが持ちうるあの包容力。
経験豊かなあれそれで言えばやっぱり年上だろう!」

「ミロ、カノン、少しは落ち着いたらどう?」



持っていたペンと資料をテーブルに置く。

はぁ、と無意識に溜め息がこぼれていたようだ。

じっと見られればまた溜め息を吐いた。



「俺は至って平常だ。」

「俺だっていつも通りだ!」

「半裸で水浸しになってるのに、女性に詰め寄る成人男性を冷静だなんて認めないわよ。」

「ああ。
これは手合わせ後に汗をかいたから水を浴びてきたんだ。」

「それならば私の所よりバスルームに向かいなさいよ。
資料が濡れるから近寄らないで。」



顎でバスルームの方を示す。


全く、ここの書類って基本的にインクで書いてあるから水なんか付いちゃったら滲んじゃうじゃない。



「それよりもどうなんだ。
年上か?年下か?」

「年下だよな!?」

「あのねぇ……
一概に年上年下なんて言えないでしょう?
例えば童虎は実年齢は私よりぐんと上だけど、肉体年齢は私より若いわ。
逆に紫龍君は私より年下だけど、随分落ち着いた雰囲気だし。
さらに私は神話から数えれば誰よりも年上よ。」



何故か引かない男達から書類を遠ざける。

濡れてしまってはこれからの作業に影響が出てしまう。




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