side story 2

□バスルーム・パシフィコ
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「ムウ、お風呂貸して。」



夕方、突如愛華が訪ねて来た。

理由を聞けば、珍しく自宮の風呂掃除をしたサガのせいらしい。

掃除自体に問題はなかったそうだ。

しかし張り切って一番風呂に入ろうとしたところで事件が起こったらしい。



「それでね、入浴剤と洗剤を間違えちゃったらしくてね。
今日はもう洗い直す時間も元気もないから借りに来たの。」

「まあ…災難でしたね。」

「私は別に良いの。
でもサガが落ち込んじゃって…
近くに居ると面倒だから、避難がてらお風呂を借りに来たのよ。」

「構いませんよ。
しかし今から貴鬼が入りますので、その後に…」



言ってからしまったと思った。

愛華はこの幼い弟子をいたく気に入っているのだ。

そんな事を聞いてしまえば…



「私も一緒に入るー!」

「ちょ、愛華!?
お待ちなさい!」



トタトタと軽快に風呂場まで駆けて行く。

何故貴女が風呂の位置を把握しているんですか?!



「貴鬼ー!
一緒にお風呂はーいろ。」



一応気を遣ったのか、脱衣所の前でノックする。

その中からまだ肌着を着ていた貴鬼が顔を覗かせた。



「愛華姉ちゃん!?
どうしたの?」

「双児宮のお風呂が今日は使えないから、貴鬼と一緒に入りたくて。
来ちゃった。」

「愛華、来ちゃったではないです。
前にも言ったでしょう?
貴鬼もお年頃なので…」

「大丈夫。
水着持ってきた!
これなら恥ずかしくないよね。」




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