side story 2

□探し物は何ですか?
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「リア、これで要る物は全部買ったよね?」

「ああ。
思ったより時間が掛かってしまったな。」

「そうね。
あ、お昼食べて帰ろう?」

「良いな。
村の端の方だが美味い店があるんだ。」

「やった、多分そこ行ったことないわ。
行きましょう。」



愛華がきゃあと笑って俺に振り向く。

荷物を持っていない方の腕を俺の腕に絡ませる。

早く行こうとねだるように引っ張った。


こういうのを無意識にするあたり男として意識されていないのか、無防備過ぎるのか…

どちらにせよ問題だ。



―――昼食をとり2人並んで店を出る。

愛華の口にも合ったらしく、また来ようと約束した。



「ん?」

「どうかした?」

「いや、そこの草むらで音が…」



不審に思って近付く。

確かにガサリと何か掻き分ける音がした。



「にゃあ。」

「あ、子猫だ。」

「母親は……近くにいないな。
どうしたんだ?」

「……ねぇリア、このコ生まれてすぐみたい。」



何かを言い淀んで愛華がその子猫を抱き上げる。

目をまだ開いていないのか必死に鳴いて体を震わす。


もしかするとこいつは捨てられたのかもしれない。

だから愛華は言い留まって話を逸らしたのだろう。




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