side story 3

□僕の産まれた日
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「今日は暑いからね、少し爽やかめを強くするよ。」

「えぇ、お願い。
出来ればちょっとだけ甘めで。」

「はいはい。
そっちのコは?」

「あ、えっと…
愛華さんと同じので。」

「甘くて良い?」

「えっと、初めてなので飲みやすいのでお願いします。」

「OK。
それじゃあ蜂蜜付けておくね。」



コトンとテーブルにハーブの入ったグラスが置かれた。

その隣にはマドラー入りのグラスと氷がある。

マスターはマドラーで軽くハーブを潰して、キンキンに冷えているであろうソーダを注いだ。



「うわぁ…!
綺麗!」

「そんなに喜んでもらえるとこっちも嬉しいね。」



ソーダを注ぎ終わると氷がカランと音を立てて浮き上がる。

底から黄緑のグラデーションがさらに涼しさをかもし出していた。



「それと瞬君。」

「なぁに?」



愛華さんがにこりとしてグラスを端へ避ける。

するとマスターが小さなお皿を置いた。

キラキラのシュガーの真ん中にはとろりとしたバニラアイス。

こそには『happybirthday SHUN』と書かれたチョコプレートが刺さっている。



「愛華さん?!」

「さ、マスター。
仕上げを頼むわ。」

「あいよ。」



チャキッと小型のバナーでシュガーを熱する。

砂糖の焦げる匂いが鼻を擽った。



「…愛華さんありがとう!
僕嬉しいです。」

「ふふっ、どういたしまして。
お誕生日おめでとう。
また来年も祝わせてね。」

「はいっ。
僕にも愛華さんの誕生日、祝わせてくださいね。」



キラキラ光るソーダとアイス。

店秘密の隠れ家で彼女はとびきりの宝物をくれた。

それはいつまでも残る、キラキラの想い出。






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