side story1

□星のふる夜
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今日聖域に一人の客が来た。

アテナが日本で見付けてきた聖域近代化の為の工事管理人とか。

正直必要性は全く分からんがアテナが聖域にいる為ならした方がいいのだろうと思う。

アテナあっての聖域、ワシら聖闘士だ。



女神の連れて来たのは人物は想像していたよりももっと…


そう、可愛らしかった。

歳の頃も黄金聖闘士達と同じくらいの若さと希望に満ちた女性。

頭を撫でてやると恥ずかしそうだが嬉しそうに微笑んでいた。

暖かい小宇宙の持ち主だ。







「世界は愛で出来ていれば良いと思うわ。」



彼女はごく当たり前にそう言った。

ああ、そうだ。

なんでそんな当たり前の事を忘れていたんだろうか?

いや、当たり前過ぎて見えなくなっていたんだろう。


ついつい抱きしめてしまっていた。

人とはどうして大事な事ほど忘れてしまうのだろうか?



彼女の小宇宙の色がほんの少し変わった気がした。



「あぁシオン、アナタには辛い思いばかりさせてゴメンなさい。」

「……愛華?」



彼女が両手で頬を包んで囁く。

先程までとは違いゆったりと広大な小宇宙が愛華から溢れる。

決して大きくはないがとても雄大だ。

抑えているのだろうがその小宇宙は女神のそれと似ていた。



「愛華…お主は何者だ?」

「私は私だわ、シオン。
アナタもシオン以外の何者でもないでしょう?
ソレと同じよ。」



明らかに雰囲気の変わった愛華と体を離す。

頬に触れた手はそのまま外せなかった。



「愛しい子。
アテナを護ってくれてありがとう。」

「………お主、女神の何だ…」

「…いいわ。
アナタ達は知る権利がある。
だってアナタ達が戦ったのだもの。」



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