Hamsters Live in Underground 

□星ハムの功績
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 まだ人間のほうが地位が高かったあのころ・・・。

 私、星ハムはその日、人間の下にいくことになった。ペットとしてだけど。どんな人かな・・・優しいといいな。ケージでもぞもぞしながら運命の瞬間を待っていた。
 いつものようにペットショップの店長、早河さんがえさをくれる。ひまわりの種だ。とってもおいしいから、私はうれしさを表現するかのように目を輝かせて見せる。
「はむちゃんや、餌おいしいのかい。おぉ美味しいのだね。君とも今日でお別れさ。そんなわけで今日は特別キャベツもやる。」
私はうれしそうにシャクシャクキャベツをむしる。あぁ、美味しい。
 でも、やっぱりなんだか眠いなぁ・・・。ちょっと寝よ・・・運命の瞬間までには起きればいいし・・・。
 Zzzzzzzz。Zzzzzzzz。

 チリーン、リーン。店頭のベルが鳴った。お客さんだ。いや、違う。私を連れて行くあの人だ。確か名前は…天空 敦(アマウ ツトム)だったと思う。実は、後に私の執事となる人・・・。この頃はまだハムスターが人間よりもえらくなるなんて想像もしていなかった。

 敦は、私を大事にケージにいれ、歩き始めた。私はあたりを興味深深に見渡す。
 広い世界。大きなものたち・・・。
 こんなに広かったんだ・・・と改めて実感してしまう。それに比べて、私の知っている世界はちっぽけで、今にも消え入りそう。
 今だから言えるけど、そんな私だったからこそ、この功績をあげることができたのかもしれない。
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