天才少女とテレパシー少年

□密かな計画
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2050年、4月7日・・・今日は、はざみ野中学校の始業式。
昨日、期待に満ちた新入生がこの学校に入学した。
 そして、私は今日から2年生。待ちに待ってた…という訳でもないけど、一応楽しみって言う気持ちはある。
 そよ風に吹かれながら、私は笑顔を浮かべる。背筋を伸ばして校門をくぐる。
「おはよう。」
「あ、おはよう。」
私の親友、馨ちゃんだった。彼女は小柄で、とっても可愛い子だ。
「同じクラスになれるといいね。」馨ちゃんはニコにこっと笑いかけてくる。わたしもつられて笑顔になる。
「ねぇ、麗。いい出会いがあるといいよね。1年生とかでもさ、可愛い子とか、イケメンいるだろうなぁ。」
「そうだよねー。」
 上履きを履くと、目の前に掲示板に群がっているたくさんの人の姿があった。」
「ウチ2組〜!麗はどうだった??」
「えっと・・・芦沢・・・芦沢・・・。2組じゃなくて・・・・・・。4組だ・・・。」
「離れちゃったのかぁ・・・。」
二人で同時に大きなため息をつく。
「まぁでも、一緒にお昼とか食べれるしね。気にすることないよ。うちら親友じゃん!」
「そうだね。新しい出会いもあるかもしれないしね。前向き前向き!」
「そうそう、その意気だよ!」
「じゃぁ、また後でね。」
手を振りながら去って行く親友をながめる。私もあれくらい明るかったらなぁ。

 とぼとぼと教室に向かう・・・。ぼぉっとしてたら危なく人にぶつかりそうになった。よけようとしたら、自分の荷物につまずいてこけてしまった。
「君、大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です。」
「ひざ、擦りむいてるよ。ほんとに平気?。あ、でももうすぐホームルーム始まっちゃう。何組?」
その男の子はやさしく問いかけた。
「え、4組・・・」
「僕も。僕の名前は富永翔。転校してきたんだ。これからよろしくね。」
「うん。よろしく。ゴメンね、わざわざ。」
「大丈夫だよ。その代わり学校のこといろいろ教えてね。」
いたずらっぽそうに富永君は言った。私は、嫌なことばかりじゃなくてよかったぁと思った。

 教室に入ると、もう担任が来ているようだった。顔見知りではあるが、名前は知らない人だ。
「君たちで最後だ。空いてる席に着きなさい。」
「はい。」二人でそろって返事をする。
空いてる席は、一番後ろの列の2つだけだった。席に着くと、さっきのひざの痛みがぶり返してきた。でも、気づかれないように頑張った。
「えーっと。それじゃぁホームルームをはじめよう。私は、このクラスの担任になった、長谷田洋司だ。よろしく頼む。これからこのクラスでいっぱい楽しんでいけるといいんだが、協力してくれるよな?」
「おぅ!」みんなが元気良く返事をする。このクラスはノリがいいようだ。
 ここで少し私のことについて説明をしよう。私は現在中学2年生。部活は卓球部に所属している。最初はバドミントンかテニス部にしようと思っていて、卓球なんてまったく興味などなかったのだけど、友達に誘われて仮入部しにいったら、楽しくて入部することにしたわけ。卓球って地味なスポーツって思われることが多いけど、そんなことはない。このスポーツは自分の努力しだいで技術を上げることができ、自分でもだんだん上達していくのが目に見えてくるかのよう。今ではすっかり卓球が大好きになった。
 ひとつだけ問題なのは、今中学2年の女子が私を含めて5人しかいないことだ。必ず誰かが余ってしまう。私はよく余り者になってしまうから、壁打ちをしたりしてすごすことが多い。
聞くところによると1年生で、今年現部長の妹さんが入ってくるらしい。その子は卓球を習っているようで、きっと私達よりもうまいんだろうなぁ。
習っている人にはかなわないけど、自分なりにがんばっていこうと思う。顧問の先生は100キロあるらしいんだけど・・・山貫先生って言う人。
たまに厳しいけど、いい先生だと思う。
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