short:)89
□浮気なんて
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『みょうじ、浮気してるらしいよ』
「ふ、ざけんなよー…」
「ん?どしたんじゃ堂林?」
「どーもこーもねーよお…」
「なにかあったんか?」
俺の彼女、みょうじちゃんが浮気したらしいと友人を伝ってきき、(まだ確信はないんだけど)
落ち込んでいると隣の席の良太が心配そうに聞いてきた。
「みょうじちゃんが、」
「みょうじが?」
「う、浮気してる、って…」
「え?!う、嘘じゃろ?!」
「どーしよう、俺、泣きそ…」
「堂林、泣け!泣くんじゃ!そういうときは、もう、ぐわああーっと!!!」
「っ、良太…っ」
優しいなー良太は。
俺の胸かすけぇ!とか言って両手をひろげてたけどさすがに抱きつくわけにはいかず、結局ぽんぽんと背中をなでられながら俺は良太にいろいろ聞いてもらった。
「そうか、そんな話を聞いたんか…」
「うん…俺、みょうじちゃんと、うまく言ってると思ってたんだけど…」
「みょうじは、そんなことするようにみえんけどのう…」
「だよな〜…」
「いっつも会うたときは、堂林くん堂林くん言うてノロケばっかじゃし、お前にベタ惚れじゃと思ったんじゃが…」
「そ、そうなんだ…(ちょっとうれしい)」
「堂林、きっとそれはなにかの間違いじゃったんじゃ!」
「そ、そうかな…」
「きっとそうじゃ!!みょうじはきっとそんなことせんし!」
「そう、だよな!良太、ありがとう!」
「どういたしまして!なんかあったらいつでも言えよー!」
「ありがとう!」
良太はほんとに優しい奴だ。
そういえば喧嘩したときも、いろいろ聞いてくれたっけ。
みょうじちゃんとは、一年のときから小学校から一緒らしいし、
なんか頼れるんだよなー。
「堂林くん!」
「みょうじちゃん…!」
「これから部活?がんばって!!」
「ありがとう、」
「じゃわたし、帰るね〜!また明日!」
「!ま、まって!!」
「ん?」
ぎゅ
「…ちょっと、こうしてても良い…?」
「いいよ〜!今日の堂林くんは甘えん坊だね〜」
「うん、みょうじちゃん、好き…」
「わたしもだーいすき!」
「ほんとに、?」
「え?当たり前じゃん!」
「浮気とか、してない…?」
「浮気?!なんでそんなこと!!」
「え、してないの…?」
「するわけないじゃん!!むしろ誰とするの〜?」
「そ、そうなの?」
「うんうん!!あたしには堂林くんしかいないよ!!」
「そっか…!俺もみょうじちゃんしかいない!!」
「えへ、ばかっぷる♪」
「ん、ばかっぷる!ごめん、ありがとね」
「うん!部活がんばって!また明日ねー」
「ありがとう、また明日!」
そうだよ、
みょうじちゃんが浮気なんて、するわけないんだ
俺の考えすぎだ。