short:)89
□雨ときどき君
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大嫌いな雨。
今日は月曜日なので、野球部はオフ。
いつも一緒に帰る、幼馴染の俊介は今日は上本くんと買い物をしてから帰るらしい。
しかたなくあたしは一人で昇降口に向かう。
「…あ。」
昇降口から地面へ一歩踏み出そうとした瞬間、あたしは今日傘を持ってきてないことに気づく。
朝、雨なんて降ってなかったし。
どうしよう、と悩んでいると、
隣でバッと傘を開いて帰ろうとする鳥谷がいた。
いいなあ、とじっと見ていると鳥谷が口を開いた。
「なに?」
『え、いや、あの…』
やはりこいつは冷たい。
ちょっとでも期待したあたしが馬鹿だった!
こいつが一緒になんていれてくれるはずないんだ。
そんなこと思ってると、
歩き出した鳥谷が振り向いて、彼の口から期待していた言葉。
「……そんなしかめ面してないで、入れば?」
無表情で彼はいったけど、
本当はすごく緊張してたって聞いたのは、
もうちょっとあとのお話。
雨ときどき君
俊介は鳥谷がなまえを好きなのをしっていてわざと2人で帰らせようとした。
(傘がないのも知っていたっていう)
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