short:)89

□来年も君と
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あたしは今怒っている。






というのは彼氏の新井良太が可愛いラッピングのプレゼントがあふれる紙袋を両手にかかえているから。






「……なまえ!」


『………なにそれ』





「こ……これは…」


「あーあ、良太。みょうじが怒るのわかっててそういうのもらっちゃうんだ。」



「け、圭!」



『野本、いこー?』


「うん」

「ちょっ!!なまえ!圭!!!」









だいたいバレンタインならともかくクリスマスにそんないっぱい女の子からプレゼントもらう意味がわかんない。






「良太もばかだよなー」


『うん、信じらんない』


「なまえ!待てって!」



『……うるさい』


「良太。みょうじは俺がもらうな」



「は!?意味わからんし!」


『良太は女の子とイチャイチャしてればいーじゃん。』


「っ!すまんって!!」


『ばいばい』


「なまえ!!」



必死で謝り続ける良太を無視して
野本と教室に戻った。














(ガラッ)


教室には浅尾くんが机にふせて寝ていた。










「あさおー」



「……んん」



『あれっケーキだ。食べんのかな』



「浅尾、これ食っていー?」



「んー…」




浅尾くんのあいまいな返事に野本くんは置いてあったケーキの苺をパクッと口に入れた。











「美味しいよ、みょうじも食べなよ。」




『わーい!(ぱくり)』




「おい、浅尾起きろって」




「ふぁ〜!あ、圭、みょうじ!」



「ケーキ、たべてんぞ。」



「ああ、うん。女の子にもらったんだけど、いっぱいあって食べきれなくて。」



「お前よくもらうな。俺なんて全部断った。」



『……(!)』


あぁそうだ。
浅尾くんと野本と良太はうちの学校のイケメントップ3だった。


あれ、もしかしてあたし今両手に花?




「良太は全部もらって、みょうじに怒られてるけどな。」

けらけら笑う野本。



「え、そうなの?良太、断ってたのに。結局もらったんだ。」


「え?」



「いらないですって連呼してたけど……」




『…………ばか良太。お人好し。あほ。』


「良かったじゃん。みょうじ。」


「心配しなくてへーきだよ。良太にはみょうじしかみえてないから。」



『……心配なんかしてないもん』



ガラッ


「─なまえっ!!!」


『……』


「良太。」



「あれ、さっきまでの荷物は?」



「全部返してきた!」


『えっ!!』


「やっぱ俺にはなまえだけじゃ!なまえがいれば何もいらん!」


『(ぷっ)……ばか』


「ほんとバカなやつ。」



「良太ってみててあきないなあ」



「なにがじゃ!!」



『大好きー』


「(きゅん)俺のが大好きじゃ!!」
















来年もきみと

(メリークリスマス!!↑)
(良太はしゃぎすぎ)

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