虎のプリンセス
□霧雨
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「あ、雨」
小さい声だけどタケルがそう言ったのがわかった。
デイゲームの後で、買い物に出てた俺たちはどこか屋根のあるところへと逃げた。
『、え』
「ん?」
『タケ……今村くん!』
「……橋本、」
そこには偶然橋本がいた。
2人の関係を知ってるから、俺はちょっと気まずい…っていうか
2人は何か話し始めちゃったし。
実際、みてるのも辛いじゃん?俺は。
でも元彼なんだし、しかたないし。
「……タケル、俺ちょっとトイレいってくる」
「え、あ、ちょっ!」
『堂林くん!あのね!』
「……なに?」
『これから、一緒に、ご飯食べようって話してたんだけど…』
「……」
「ドウ、いくでしょ?」
「…うん」
なんか、俺、ガキみたいじゃん…。
ひとりで、バカみたいだ…
*