short:)89

□浮気なんて
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「いってこい、俺、何があってもお前の見方だし。」






タケルに背中をおされて俺は次の日の昼休み、
みょうじちゃんを中庭に呼んで、
話をすることにした。





「堂林くん?話、って…?」



すこし顔が緊張気味。
それは浮気が本当だから?




「うん、あのさ」



「な、に…?」





「浮気のことなんだけど、」




「え…?」




「相手が良太だって聞いたんだよね。俺」


「え?!」



「それで…昨日ふたりが歩いてるとこみちゃって…」


「昨日…?」


「アクセサリーショップに、入って…くところ」


「あ、ああ!」


「え?」



「んーーー、」



「…みょうじ、ちゃん…?」


「もうちょっと、いろいろ考えてたんだけどな〜…」




「なにを…?」



「…もしかして忘れてるんだ」



「え、?」




「堂林くん!」




「…?はい」



「お誕生日、おめでとうっ!!」



「は?!」




「今日17日だよ〜!」



「え、うそ、…そうだった…」



「良太と浮気?なんかわかんないけど昨日一緒に出かけたのはほんとだよ。」


「…はぁー。良かった…!!!」


「浮気なんてしないって言ったじゃん!しかも良太なんて〜」



「疑って、ごめん…!」



「ううん、あたしこそ。誤解させたりして、ごめんね」



「いや…」




「あのね、堂林くん、これ、バースデープレゼント!」



「え、これ…」



「あのね、昨日はこれ買うためにでかけてたの。野球部でもつけられるアクセサリーとか、良太に聞いてて…」



「!っ、ありがとう、」




「堂林くん、だいすき!」



「俺も、だいすき…!」






すべての誤解がとけた。


噂をうのみにした俺はバカだった。


ふたりとも俺のためにやってくれていたのに、それを疑ってたなんて俺…























「りょーた、ごめん!!!」


「へ?なにがじゃ?」


「俺、お前のこと疑ってた!」



「な、なにを?」



「みょうじちゃんの浮気相手は良太だって噂、信じちゃったんだ」



「?!わし?!わしそんな噂流れとったんか?!」



「うん、だからごめん…」


「いや、こっちこそ、すまん…!」



「それと、なんか、いろいろありがとな。」



「いや!それよりどうじゃった?バースデープレゼントは」



「ちょーうれしい!」



「そりゃ良かった!買い物中もみょうじうるさかったんじゃ。堂林くん堂林くんて」



「え、(うれしい)」


「じゃからな、お礼はキスくらいしとけよ?」



「は?!」
















浮気なんて
ただの噂だった







(みょうじちゃん、)
(ん?え、ちょっ、ん…?!)
(大好き)
(あ、たしも…っ!!)
















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