進め!

□ゾルディック家3
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「あそこよ。」


女の子に案内されて執事室に到着。
入り口では5人の執事っぽい人達が待っていた。



「先程は大変失礼いたしました。
奥様から連絡があり、あなた方を正式な客人として迎えるよう申しつけられました。」

『良かった〜。』

「ごゆっくりおくつろぎ下さい。」

「心遣いは嬉しいが、俺達はキルアに会うためにここに来た。
出来ればすぐにでも案内してもらいたいんだが。」

「その必要はございません。」

『?』

「キルア様がこちらに向かっておいでですから。」

「本当!?」

「ええ。もうしばらくお待ち下さい。」

『やっと会えるね!』

「うん!」


「さて。ただ待つのは退屈で長く感じるもの。
ゲームでもして時間を潰しませんか?」

『いいです!待ってられます!』

「ゲーム?」


クラピカの質問に、執事さんはコインを取り出した。


『あ、無視なんだ…。』

「コインはどちらの手に?」

「「「『左手。』」」」

「御名答。では次はもっと速くいきますよ。」


みんなに私の意見はスルーされたから、しかたなくゲームに参加しよう…。


「さあどちら?」

「また左手。」

「すばらしい。
じゃ、次は少し本気を出します。」


執事さんはさっきまでとは全然違うスピードでコインを掴む。

…"どっちだ?"って、もっと低レベルのほのぼのしたのじゃなかったっけ…。


「さあどっち?」

「ん〜自信薄だが…多分右…。」

「私は…キルア様を生まれた時から知っている。
僭越ながら親にも似た感情を抱いている…。」


え、なになに?
何でほのぼの遊び中にそんな空気にすんの!?


「正直なところ…キルア様を奪おうとしているお前らが憎い。

さあ…どっちだ?答えろ。」


『答えにくい雰囲気作んないでよ!!』

「左手だ。後名無し空気読め。」

『ごめんなさい!』


「奥様は…消え入りそうな声だった。
断腸の思いで送り出すのだろう。
許せねぇ。
キルア様がくるまでに結論を出す。
俺が俺のやり方でお前らを判断する。文句は言わせねぇ。」


何か展開においてかれてる感があるけど、やるしかないね!人質までとられちゃったし。
でもさ、もっとゆっくり進もうぜ!
ここに頭がついていってない少女がいるから!


「てめえらはギリギリのとこで生かされてるんだ。
俺の問いにだけバカみてえに答えろ。」

『了解っす!!』

「そこは返事をするところではない!」

「お前…舐めてんのか?」

『全☆然!』

「名無し、バカみたいにって、そういう意味じゃない!」

『えっ。』


なん…だと…。
バカみたいにって言うからてっきり…!


執事さんがまたスピードをあげてコインを握る。


「どっちだ!?」


うーん、ゴン達、困った顔してる…。

これじゃ、またスピード上がったら大変だよね。

あ、ひらめいた!


『右手!そして次からは私1人で答えるよ!』


「「「え!?」」」

「構わねえ。出来るんならな。」

「名無し!?」


『大丈夫だよ!私こういうの得意だし!』


ゴン達が心配そうに見てくる。

執事さんが更にスピードを上げる。


「どっちだ?」

『左手!』

「当たりだ…。」

「お前、ほんとに見えてんのか!?勘じゃねーだろーな!?」

『見えてるし!結構余裕だけど?』

「………………。じゃ、これならどうだ?」


執事さんは席を立ち、他の執事さんと一緒にコインを混ぜた。…混ぜたっていうのかな…。


「さあ…誰が持ってる?」

『後ろのこの執事さん!』


「すばらしい!!」


拍手されちゃった!


「(いやー頭の悪そうな子だったが…。」

「(全くだ。意外にも目はきくようだな。」


聞こえてるよ、後ろの執事さん達!


「いやー、少し悪フザケが過ぎました。大変失礼いたしました。
しかし、時間を忘れて楽しんでいただけましたでしょう?」

「あ…もうこんな時間だったのか。
いやーあんた、迫真の演技だったぜ。」

『演技…かな?』




「ゴン!!名無し!!
あとえーと、クラピカ!!リオレオ!!」


タイミング良く、キルア到着。

相変わらずの生意気さにレオリオは怒ってるけど、キルアが元気そうで良かった!


「早速だけど出発しよーぜ。とにかくどこでもいいから。
ここにいるとおふくろがうるせーからさ。」

『ああ、あの…。』

「?
じゃーな!!ゴトー!いいか。おふくろに何を言われてもついてくんなよ!」

「承知しました。
いってらっしゃいませ。」












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