進め!
□ゾルディック家
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敷地内に入るだけで力を試されるということにゴンは気に入らないらしく、自分は侵入者でいいとか言い始めた。
『ゴン〜無茶だよ〜。試しの門から入った方がいいって!』
「名無しの言う通りだぞ!お前もさっきの化け物見ただろ!?」
「だって納得いかないんだもん。友達試すなんて変だよ。絶対そんな門からは入らない。」
「確かに君の言う通りだとは思いますよ。しかしねぇ、強行突破は無理ですよ。絶対ミケに殺される。」
『ほらぁ〜。』
「私も同感だ。時間はある。1の門から入ることにしよう。」
みんなで説得するも、ゴンの意見はまがらない。ゴンって意外と頑固ー。
「残念ですが鍵は渡せませんや。むざむざ坊ちゃんの友達をミケの餌食にするわけにゃーいきませんからね。ちょっと待って下さい。」
そう言ってゼブロさんは守衛室に戻り、どこかに電話を掛けていた。
「いや〜やっぱり叱られちゃったか。」
「屋敷に電話してくれたの?」
「いや、ゾルディック家の執事にですがね。屋敷への連絡は全て執事を通すんですよ。」
『へ〜。』
「もう一度掛けてくれる?今度は俺がでるから。」
「いやな思いさせちゃいますよ。」
ゼブロさんから電話を受け取る。
「あ、もしもし。僕、キルアくんの友達でゴンといいます。キルアくんいますか?」
ゴンが言い終わってすぐに電話が切れた。
『ゴン?』
もう一度電話を掛ける。
「何でお前にそんなことわかるんだ!!いいからキルアを出せ!!」
…耳痛い…。ゴン、なんて言われたのかな。
結局キルアを出してもらえず、電話作戦は失敗に終わった。
「おいゴン!」
執事にムカつく事を言われたんだろうゴンは、キレながら無言で守衛室を出ていき、釣竿を門に引っかけた。
『危ないよ!』
「いいよ。3人は待ってて。俺一人で行くから。」
「そんなわけいくか!!」
『そうだよ!』
「まず冷静になれ3人共。」
「う〜ん、仕方無いねぇ。ゴンくん、鍵を渡しましょう。これで門からお行きなさい。」
「待ってくれよオッチャン。俺らが説得するからよ。」
「そうですか?ゴンくんの意志は固いんでしょう?
そのかわり私も侵入者の門からついて行きます。」
『何で?』
「私が一緒に行けばもしかしたらミケが私ののことを覚えて攻撃しないかもしれません。まあほぼ100%全員殺されるでしょうが。」
『100%かよっ!』
「それはダメだよ。そこまで迷惑はかけられない。」
「いいえ、行きます。残っても同じことですから。
いずれにしろキルア坊ちゃんの友達を見殺しにしたらもう坊ちゃんに会わせる顔がありません。あなた達が死ねば私も死ぬ。」
ゼブロさんにそう言われ、ゴンは釣竿を戻した。
「わかったよゴメン。おじさんのこと全然考えてなかったね。」
『…良かったぁ。』
「ゴンくん、もう一度私が試しの門を開けます。今度はミケを正面から見てください。」
「ミケー!!おいでー!!」
試しの門から中に入って、ゼブロさんがミケを呼ぶ。どんくらいデカイのかな…。
フーッ、フーッ
『!!』
『これが、ミケ…。』
「ゴンくん、わかったかな?あれが完璧に訓練された狩猟犬ってやつですよ。君が野山で見てきたどんな野獣とも全く違う生き物です。」
ゴンは冷や汗を流しながらミケの眼を見ている。
「ゴンくん…こいつと戦えるかい?」
「いやだ怖い。絶対戦いたくない。」
『…てかさ、』
「?」
『ミケじゃなくてポチじゃね!?犬でしょ!?』
「そこ!?」
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