お題

□慰める
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放課後。
授業から解放された学生が部活、勉強、遊び、デートなどに勤しむ時間である。
私は勿論イケメンな彼氏とデート…と言いたいとこだけど、残念ながら部活。部員を支えるマネージャーです。
我が立海テニス部は全国的にも超有名らしく、練習もとっても厳しい。
風邪でも無いのに欠席なんてもってのほかで、補習などで来れない部員(特にレギュラー)は魔王様から罰を受ける恐ろしい制度もある。

だからといって補習を回避できるわけもなく、丸井とかはまだいない。
来たら真田に殴られるんだろーなー。ざまあ。私のチョコレートちゃんを横取りするからだ馬鹿め。神は私の味方なのだ!ぶーちゃんは問題用紙を見て頭がパーンってなれぇ!そんで二重で補習してしまえ!



っは!いけないいけない。
今日の私の仕事はお菓子の敵、丸井ブタを貶すことではなく、立海期待のエースを励ますことだった。

赤也も馬鹿だからなあ。真田に殴られて幸村に精神的プレッシャーかけられてたっけ。

泣いてる赤也を励まして次からは赤点とらせないようにしろって魔王に言い付けられたんだ。
あれ、赤点回避は無理じゃね?



『赤也ー?』


うずくまってるワカメ頭に声を掛けてみる。


「名無し先輩…?」


『真田達に怒られたんだって〜?よしよし。』

「先輩っ…!
俺、一応頑張ったんスよ?なのに部長達が聞いてくれなくて…。」

ううん、幸村達もちゃんと分かってるよ。だから私に言ったんだよ。


『そんな赤点赤也に、私が勉強を教えてあげるよ!』

「赤点赤也…本当に先輩慰めに来たんですか?」

『当たり前じゃーん。可愛い後輩が困ってるんだからさっ。』

「真顔で言われても…。
で、勉強教えてくれるってマジでスか!?」

『うん!
でも、全部は無理だから、
国語が真田、数学が柳、社会がジャッカル、理科が仁王、英語が柳生って感じで分担して。』

「おおー!
って、先輩達に丸投げじゃないっスか!!名無し先輩ってほんとテキトーっスね!!」

『失礼な。丸投げじゃなくて任せたんだよ。まだ言ってないけど。』

「相変わらずの名無し先輩クオリティ…」


む。何か馬鹿にされた?
まあ、つっこめる元気は出たかな。


『…赤也、元気になった?』

「え?
あ、はい。先輩と話すと何かゆるい空気になるっス。」


『ちょいちょい引っ掛かる言葉もあったけど、まあいい、赤也回復に免じて許してあげるよ。』

「あ、ありがとうございました!俺の為に…。」


『赤也の為?なーに言ってんの。これは幸村が困ってたからだよーだ。』

「え!?」

『なんちゃって。』

「何なんスか!もう!!」









(って、先輩も赤点ギリギリじゃないですか!!)
(うわ。バレた?)





慰める


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