お題

□褒めて見て構って
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「名無しー!!」



ああ、またか。

俺が奴良組に来たとたんに嬉しそうに走って来たのは奴良組の総大将、ぬらりひょん。

みんなこいつを尊敬しているが俺には意味が分からない。どのへんに敬う要素があんだよ?

雪麗さんなんか惚れてるみたいだし…。

俺だったらこいつより牛鬼にするけどな。



「待っとったぞ!」

『うぜぇ。』

「ワシな、今日は鴉に言われてちゃんと仕事をやったんじゃ!偉いじゃろ!?」

『別に。』



お前大将なんだから当たり前だろーが。


「あ、この着物、どうじゃ!?
昼間に買ったばっかりでな、雪麗はなかなか似合うと言っとった!」

『知らね。つーかどうでもいい。』

「相変わらずつれないのう。
でもそんなとこも好きじゃぞ!」

『うぜぇ死ね。』


何でこいつには嫌がってるってことが分かんないのかな。目見えてんのか?


「名無し、来ていたのか。」

『おー牛鬼。今来たばっか。』



廊下を通った牛鬼が俺に気付いて声を掛けてきた。
よし、これはチャンスじゃね?



『久しぶりだし、あっちで呑もうぜ。』

「お前から誘ってくるとは珍しいな。」

『そーか?俺は結構牛鬼好きだぜ。ちょっとばかり口うるさいが。』

「!…そうか。」

「けっ。牛鬼、いい気になんじゃねえぞ。」

『うっせー。てめえはどっか行きやがれ。』

「嫌じゃ!ワシも一緒に呑むんじゃ!!」

『却下。』

「まあ、いいではないか。」

『でも…。』

「ワシは絶対名無しと一緒にいる!!」

「総大将がこう言い出したら私達が折れるしかないぞ。」

『…………………………………………………………………………………………………………………………………仕方ねえな…。』



「ふふん、名無しと二人きりになんかさせん!」

「………………………。」




褒めて見て構って



(総大将、雪女が探しておりましたぞ。)
(構わん。ワシは名無しといる!)
(早く行ってこい。んで戻ってくんな。)







title:雲の空耳と独り言+α

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