短編
□何で?
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「よう名無し!」
今日も今日とて私に声を掛けてくるのは隣のクラスの長曾我部元親くん。
いつもガラの悪い感じの人達にアニキと慕われている所謂不良の頭。
何故か私に毎日話し掛けてくる長曾我部くんは、私が無視をしても気にせず話続ける。
『…ねぇ、何で長曾我部くんはいつも私に声掛けるの?』
「あ?んなもン俺がお前と話したいからに決まってんだろ。」
『何で?私以外にも、長曾我部くんと話したいって女子いっぱいいるよ?』
「関係ねえ。俺が話したいのはお前だけだ。」
『長曾我部くんモテモテなのに勿体無いね〜。』
「…好きなヤツ以外にモテたって意味ねえよ。」
『え、長曾我部くん好きな人いるの?知らなかった〜!青春だね!羨ましいよ。』
「だったら俺がお前に青春させてやろうか?」
『え?』
「好きだ、名無し。俺の女になれよ。」
(へ、)(やっぱり気付いて無かったのかよ。)(え、ちょ、待って、混乱してるかも…。)(何も混乱することなんてねえよ。黙って俺の傍にいろ。)
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