本家のあまのじゃく
□過去の記憶
1ページ/3ページ
「なあワシのキセル知らんか?」
縁側に座って桜を見ていたら、総大将がゆっくり歩いて来た。
『キセル?』
「ああ。大昔に大名屋敷から拝借した立派なもんじゃ。」
『知らね。』
「う〜ん、一体どこじゃ…。」
俺を通り過ぎ、若に聞くが答えは同じ。いや、逆に質問をされた。
「この刀…パクったもんじゃねーのか?」
「何じゃ人聞きの悪い…。」
総大将は知らないフリをするけど、それって確か―――――
時は数百年前――――――
京都は 天下の往来を跛扈する魑魅魍魎どもで…
溢れていた――――――――
.