本家のあまのじゃく

□花開院ゆらの納得
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「みんな待って!ずるいですよ置いてくなんて!」


みんなから一足遅れて氷麗が到着。

慌ててるのか、何もないところで転んでいる。


「及川…さん…?」

「ひぇっ!?な…なんで陰陽師の子がここに…?」


やっぱり状況はわかってなかったんだな…。


『ゆらちゃん?どうした?面白い顔になってるぞ。』

「な、なんでもあらへんよ!!(あれがぬらりひょんやったんか〜!)」


正面で百面相をしていたゆらちゃんは、俺が声を掛けると少し顔を赤くして首をふった。


「!」

「妖怪ぬらりひょん…
滅すべし。」


首無の紐でおさえられていた背の高い陰陽師が、紐を燃やして若に手を伸ばす。

が、青と黒に抑えられて若まで届かなかった。


「やめろ魔魅流!そこらへんにしとけ!!」

「…やめない。妖怪はみのがさない。」


ゆらちゃんの兄貴の言葉も聞かない。


「……冷静になれよ。
この数に勝てると思うのか?」

「勝てる。」

「やめろって言ってんだ…。」


術を使って止めるゆらちゃんの兄貴。
なかなか頭はまわるんだな。


「2人じゃキツイ。大体俺達はゆらに伝えることがあってきたんだろ。
訃報だ、ゆら。」

「…ふほう…?」

「ゆら…秀爾と是人が死んだ。
やつらが動き出した。
花開院家の宿敵、京都の妖をたばねる大妖怪
―――羽衣狐!!
やつらは花開院家が京都に張っている8つの結界のうち2つをやぶった。
当主花開院秀元は魔魅流を本家に加え…修行中の身であるお前まで呼び寄せた。
言っている意味がわかるな?
事態は…思ったより悪い方向に進んでいるぞ。
ゆら、京に戻ってこい…。」


言い終えると、若の前に祢々切丸を投げつけた。


「そーだ、ぬらりひょんに会ったらと…じいさんから言伝てを頼まれた。
"二度とうちには来んじゃねぇ。来ても飯は食わさん…!!"
以上。その刀…大事にしろよ。」


あーあ、総大将のせいで花開院家行きずらくなった!
このやろう…。


「狂言 今日はもうやめだ。」

その声で俺らの周りを囲んでいた結界が解けた。
気付いて無かった小妖怪達はかなり驚いているけど、それは無視して陰陽師達が帰っていく。


「なんだ、あいつら…。」

「騙しのプロだよ。」

『クソッ、総大将死ねっ。』

「「「(名無し…?)」」」






















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