本家のあまのじゃく

□だまし合い
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「やっと…本性をあらわしたな!妹を……だましおって!妖怪どもめが…!!」


変化した若と俺に少し驚いているゆらちゃんの兄貴ともう1人。


「名無し、ゆらを頼む。」

『はい。』

「こいつらには手出しすんなよ。」

『はい。若、どうかお気を付けて。』





ゆらちゃんを少し離れたところに降ろす。

「え…名無しちゃん…?」

『ああ…。ごめんな、双子っての、嘘なんだ。』

「そう…。どっちが、ホンマの名無しちゃんなんや?」

『どっちも…。あまのじゃくなんだ、俺。』





ブォォォォ!

「!!」


若の周りにたくさんの花が浮かぶ。

「な…なんや…花?
水の花!?」

「ただの水ではないぞ。
仰言よ。地に根をはり…花を咲かせて魅せよ。」


近付いていった蛙の上に花が落ち、地面ごと、溶けた。


「な!地面が…!!溶けた?めりこむくらい…!なんや…この式神は!!」

「式神仰言は金生水の花――」

「金生水…?」

「金生水とは、金の表面に凝結により生じた水滴を集めたもの。
その純度は99.9999%…。
最も澄んでいて最もやわらかい水…まさに水の中の水!
この世で最も腐蝕を促す液体は酸でも王水でもなく…純粋な水そのもの。
式をまじえたこの花にふれれば…どんなものもたちまち溶ける…たとえ妖怪でもだ。
仰言に今まで3分と耐えた者はいない!
この式神は、それ程に強力な物だ…!!」

「3分…。」

「そう…。3分が限界。お互いにとってな。
あいにく…俺にはゆらや魔魅流のような才能がないんだ…。
俺ごときではこの強力な式神を出し続けるのは、3分が限界なのだよ。」

「!!」

「つまり、3分間お前が仰言に耐えたならお前の勝ち。耐えられなければ俺の勝ち…というわけだ。」









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