本家のあまのじゃく
□若のいない2日間2
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『え〜っと、次は卵…。』
今日は若菜さんに頼まれて夕飯の買い出しをしている。
喜んで引き受けたものの、さすがに人数が人数なので超重い。
…やっぱり誰か連れて来れば良かったかなぁ…。
「ん?名無しではないか。」
タイミングよく声を掛けられ、振り返る。
『黒田坊。何してるの?』
「見廻りの帰りだ。」
『そっか。じゃあ今から帰るとこ?』
「ああ。お前は買い出しか?」
『うん。買ったものが重くてさ〜。付き添ってくれない?』
「いいだろう。」
『ありがとう!』
『これとこれ下さい!』
「あいよ!
おや、お嬢ちゃん達…夫婦かい?」
「なっ…!?」
『え?そう見えますか?』
「ああ。カップルって雰囲気はしないな。長年一緒にいました、って感じさ。」
『よく分かりましたね…!私達、昔からの付き合いなんですよ。』
「お、おい!?そういう意味じゃないだろう名無し!」
「はははっ!ま、幸せにやんな!これまけといてやるよ!」
『あ、ありがとうございます〜!』
****
『ただいま〜。』
「お帰りなさい、名無しちゃん。」
「黒田坊の兄貴も一緒っすか?」
家に帰ると、若菜さんと猩影くんが迎えてくれた。
ちなみに、猩影くんは昨日泊まった。
「たまたま会ってな。」
『黒に手伝ってもらったの。』
「あらそうなの?二人ともご苦労様。」
『いえ!また仰って下さい!』
「ふふっ。ありがとう。
…あら?私、数を言い間違えたかしら?」
『あ〜、八百屋のおじさんがおまけしてくれたんです。夫婦で幸せに、って。』
「!?どういうことっすか!?」
「拙僧らが夫婦だと勘違いされたのだ。」
「あらあら。」
『得しました!』
「「(そっち!?)」」
「…名無しさん!」
『ん?』
「これからはそういう何か手が必要な時は、俺を呼んで下さい!」
『え、でも悪いよ…。』
「気にしないで下さい!
名無しさんの役に立ちたいんです!!」
『そ、そう…?じゃあ、何かあった時に頼もうかな。』
「はい!いつでも呼んで下さい!」
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