本家のあまのじゃく

□反撃
1ページ/3ページ



夜―
奴良組本家




四国の奴等に攻められているため、緊急総会を開くことになった。

「――――以上、報告終わり」

「なんですかいこりゃー!!」

「大敗北じゃないですか!!」


奴良組の被害状況が報告され、みんなが騒ぎ始める。

四国に怯える者や、若を遠回しに責める奴もでてくる。

…主に一ツ目だが。

『うるせーぞテメーら!』

「そうだぜ。リクオはまだ若頭に就任したばかりじゃあねぇか!」

『鴆…』

「しかも今の状況は総大将の代理。2人も殺った分だけ仕事はしてるってもんだろーが?」

「若造!!口出しすんじゃねー!!」

「るせー!!奴良組の幹部にゃ上も下もねーだろーがぁ!!」

『ってこたぁ、俺は口出ししていいんだよな?』

「名無し…」

『一ツ目、お前調子に乗りすぎじゃねーか?いちいち若に突っかかりやがってよぉ。』

「ワシは四国なんかに敗けてるのが気にくわねーんだよ!」

『別にそれは若だけのせいじゃねーだろ。俺らにだって責任はある』

「そういう事を言ってんじゃねーんだよ!!」

『つまり若に従ってるのが気にくわないと?
…ハッ、いい加減にしろよお前。俺と戦り合いてーの?』

「あぁ!?」

『昼の俺なら聞き流してやるかもしれねえがな、今の俺は気が短いぜ?』

「名無し…、抑えろ」

「僕なら大丈夫だから…」

『……チッ』

「だいたい何だてめーらは急に強気になりやがってよぉ…。狒々が死んだときゃービビって一目散に帰ったくせに。なんで責任逃れとかしてんだ。
死んだ狒々の仇!
討とうとか思わねーのかい!!」


鴆の問いには誰も反応せず、ただ不穏な空気が流れた。


「…まじかよ」

『呆れるよな』

「まったくだ。こいつら気に入らねぇ…」


「奴良組もナメられたもんですなぁ〜。7、8人で乗り込んだとか」

「それなのに本家はやられ放題」

「でもあいつら自分らで味方の犬神を消したそうじゃないか」

「数も少ないのになんと愚かな…」


「…相手が田舎出で少数だと知ったら強気になってやがる」

『脳ミソ足りねーんじゃね?』


「愚かはどちらか」

「牛鬼!?」

「使えぬコマを見捨てる行為。それはいくらでも増援が見込めるから…ではないのか」

『その通りだ』

「ぞ…増援!?」

「はは…まさか…」

『馬鹿か』

「まさかではない。戦力は多めに考えていた方がよい」



やはり牛鬼は頭が回る。



















.

次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ