本家のあまのじゃく
□反撃
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夜―
奴良組本家
四国の奴等に攻められているため、緊急総会を開くことになった。
「――――以上、報告終わり」
「なんですかいこりゃー!!」
「大敗北じゃないですか!!」
奴良組の被害状況が報告され、みんなが騒ぎ始める。
四国に怯える者や、若を遠回しに責める奴もでてくる。
…主に一ツ目だが。
『うるせーぞテメーら!』
「そうだぜ。リクオはまだ若頭に就任したばかりじゃあねぇか!」
『鴆…』
「しかも今の状況は総大将の代理。2人も殺った分だけ仕事はしてるってもんだろーが?」
「若造!!口出しすんじゃねー!!」
「るせー!!奴良組の幹部にゃ上も下もねーだろーがぁ!!」
『ってこたぁ、俺は口出ししていいんだよな?』
「名無し…」
『一ツ目、お前調子に乗りすぎじゃねーか?いちいち若に突っかかりやがってよぉ。』
「ワシは四国なんかに敗けてるのが気にくわねーんだよ!」
『別にそれは若だけのせいじゃねーだろ。俺らにだって責任はある』
「そういう事を言ってんじゃねーんだよ!!」
『つまり若に従ってるのが気にくわないと?
…ハッ、いい加減にしろよお前。俺と戦り合いてーの?』
「あぁ!?」
『昼の俺なら聞き流してやるかもしれねえがな、今の俺は気が短いぜ?』
「名無し…、抑えろ」
「僕なら大丈夫だから…」
『……チッ』
「だいたい何だてめーらは急に強気になりやがってよぉ…。狒々が死んだときゃービビって一目散に帰ったくせに。なんで責任逃れとかしてんだ。
死んだ狒々の仇!
討とうとか思わねーのかい!!」
鴆の問いには誰も反応せず、ただ不穏な空気が流れた。
「…まじかよ」
『呆れるよな』
「まったくだ。こいつら気に入らねぇ…」
「奴良組もナメられたもんですなぁ〜。7、8人で乗り込んだとか」
「それなのに本家はやられ放題」
「でもあいつら自分らで味方の犬神を消したそうじゃないか」
「数も少ないのになんと愚かな…」
「…相手が田舎出で少数だと知ったら強気になってやがる」
『脳ミソ足りねーんじゃね?』
「愚かはどちらか」
「牛鬼!?」
「使えぬコマを見捨てる行為。それはいくらでも増援が見込めるから…ではないのか」
『その通りだ』
「ぞ…増援!?」
「はは…まさか…」
『馬鹿か』
「まさかではない。戦力は多めに考えていた方がよい」
やはり牛鬼は頭が回る。
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