時の旅人

□第五章
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交じり合った木刀を弾いてその反動で距離を取る。
どうやら銀時の野郎本気を出しちゃいねェ上周りを気にしてやがる。




「ククク、そんなに町の連中が気になるかァ?」

「…てめェはいいのかよ。こんな町のど真ん中で暴れてたらすぐにおっかない連中が来んぜ?」

「晋助様ぁああッ!!」

「高杉さんんん!!」




銀時が言ったのとほぼ同時にガキを迎えに行ったはずの二人が戻ってきたやがった。
視線だけそちらにやると街角から黒服の連中がぞろぞろあらわれやがった。




「チッ、真選組か」




全く、めんどくせェ時になんでこうもめんどくせェ連中ばっか出てくんだよ。




「また子殿、連れてきてはいかんでござるよ」

「連れてきたんじゃないッスよ!あいつらがこっちに来るのが見えて慌てて引き返して来たんスよ!」

「凪さんは顔がわれてないので安全でしょうし、ここは一時撤退しましょう」

「そうはさせるか!!」




真選組の先頭に立ち刀を突きつけてきたのは真選組副長土方十四朗。
切っ先を俺に向けうるせェぐれぇの大声で叫びやがった。
チッ、ガキがいねェんじゃてめェらなんぞ呼んでねェんだよ。




「高杉晋助ぇ!!逮捕だぁああ!!」

「万斉、来島、武市」

「了解でござる」

「任せてください!」

「しょうがありませんね」

「かかれぇええ!!!」




土方の号令とともに地を蹴る両者。
そして俺も目の前の銀時に刀を振り下ろした。




「ククク、銀時ィ、今ここで決着つけようかァ?」

「上等だ!!」




市民がいなくなった今、銀時も全力でかかってくる。
こいつの中の白夜叉が本当になくなったのか…




「ククク…見せてもらおうじゃねェか…」





てめェで俺の中の獣の呻き声が少しは落ち着くかもなァ?













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