時の旅人
□第二章
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あれ…なんで真っ暗?電気つけてないだけ?
でも普通暗くてもうっすらとは見えるよね?
ってことは………夢?ここは夢ん中?
(………)
だよねー!!あんな何でできているかわかんないゲテモノがこの世に存在しちゃいけないよな!!
しかも江戸って、江戸にあんなハイテクあってたまるか!!
そんなんだったら私らの時代にはドラ●もん出来てるわ!!
…あ、だから「ど●でもドア」あったんだ。
…ま!どっちにしろ夢だったんだ夢だ夢!
うんうん、最近の夢クオリティ半端ねー!過去でも未来道具使えんだもんな!
あ、それでもやっぱあのゲテモノはないわ。ないない。
夢でもあれは出ちゃいけないものだよ。絶対NGだって。うんうん。
…そういえばあの高杉って人、あの後どうしたんだろう?
夢ってさ、覚めた後続き気になるもんだよね…
……あれ?これは夢なんだよね?覚めてんならなんで真っ暗?あれ冒頭に戻っちゃう?
あー、もう何が何だか…
「わけ、わかんない…」
「起きましたか」
重い瞼をゆっくりと開きぼんやりとした意識の中開けていく視界に捉えたのは目ん玉ガン開きの男。
「もう半日くらいずっと寝てらしたのですよ」
「………」
「ふむ、もう2,3年早くお会いしたかったですな。あなたならきっと私の理想通りの女性なのでしょう」
「……………………………」
「おやどうされました?まだ具合でも…」
「ギャアァアアアアァアァァァァ!!!」
「ぐふっ!!」
うん、寝起きの体でよく反応できたと思う。
私は男の顎めがけて思いっきりアッパーを喰らわした。
我ながらほれぼれするぐらい素晴らしくクリーンヒットした男の人は若干宙を舞って倒れた。
2,3年早ければって私はまだ花の18歳じゃボケ!!
ガクッと意識を失った男の人はよく見れば人間で……丁髷をしている?
「え…だって夢、なんじゃ…」
ぐるっと部屋を見回すがそこは確かに和室ではあるが私の部屋ではなく、そもそも私の部屋からじゃ波の音は聞こえないし…
つまり、そういうこと?
「夢じゃ、ない?」
=あのゲテモノも存在する?
………うっそぉおおおお?!
「と、とりあえず落ち着け!落ち着くんだ私!!
こういう時は先生なんて言ってたっけぇえ!??」
あっはー、相当テンパってんわ、自分。
言ってること支離滅裂だわ。
「……とにかく、出てみよう」
こういう時は状況確認が一番だって誰かが言ってような言ってなかったような…
男の人は…とりあえずお休みしてもらおう。もう一度あの目見たらたぶん叫んじゃうし。
ということで私はそっと部屋から出たのであった。
「おいなんださっきの声…」
またしても女の叫び声が聞こえた。
ようやく起きたのかと思えば一々騒がしい奴だ。
俺はそっと襖をあけて中を見た。が、
「……武市?」
部屋には凪の姿はなく代わりに武市が大の字になって気絶していた。
その光景だけで何が起こったのか瞬時に理解できた。
「…少し刺激が強すぎたか」
まァ、あの顔じゃなァ…
しょうがねェ、探しに行くか。
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