04/14の日記
12:58
リクエスト(やきもち銀時、高杉+新八(ほのぼの))
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久々に飲みに出掛けた帰り、万事屋の前で高杉に会った。
会ったというより高杉は待っていたのだろう、玄関先で煙管を燻らせていた。
『あれ、来てたの。約束してたっけ…?』
『いいや、偶には不意打ちでと思ってな。下の婆さんが飲みに行ったと言うんで待たせてもらったよ。』
『…オメー来るなら言えよ、俺が帰って来なきゃどうするつもりだったんだよ。』
ガチャガチャと鍵を開けながら少し冷えてる高杉を入れてやる。
『そうさな、恋人ほったらかして朝帰りなんぞしやがる奴は刀の錆にでもしてやるさ。』
『理不尽過ぎやしませんか、てかそういう朝帰りはしねぇよ。茶で良いか?』
そんな会話をしたのを覚えている、が気づけば今は朝。
どうやら寝てしまったらしく布団に高杉はいない。
「帰ったのか?」
しかし何やら微かに話し声がする、新八の声だ。
些か痛む頭を起こして和室を出ると新八と高杉が朝食を用意しているところだった。
「あ、銀さんおはようございます。てかもう9時前ですよ、高杉さんも居るのに寝坊なんて。」
「仕方ねェさ、昨日飲み歩いてたらしいからな。それより飯にしようぜ。」
「はい。全く恋人をほったらかして飲み歩いて寝坊なんて…本当にすいません。」
新八が苦笑いしながら言うと「よく出来た小僧だな」と高杉も席につく。
銀時は話に入る事もタイミングも逃し、複雑な心地で席についた。
目の前には炊き上がった白米、菜の花色の卵焼き、刻んだ野菜の入った味噌汁、梅干し。
「冷蔵庫の中身で作らせてもらったが、全く…ちゃんと買い物しとけよ銀時。」
呆れた視線を受けつつ「はいはい」と返事をして味噌汁を啜る。
美味い。
「いただきます!」と言って同じく味噌汁を啜った新八も「美味しい!凄く美味しいです!この卵焼きも!」と声に出していた。
「あの余り物でこんなに美味しいものが…高杉さんって料理とか結構するんですか?」
「昔にな。あの頃はあるもん組み合わせて作るしかなかったし、野菜も出汁は出る。卵焼きには鰹節を混ぜただけだ、意外と美味いな。」
新八と高杉の会話を聞きながら箸を進める。
新八は姉がアレなので高杉の料理話にはしゃいでいる、気持ちは解る。
解るけども、それは俺の恋人です新八君。
確かに飲み歩いてた俺も迂闊だったし、本誌じゃ浮き輪代わりにしちゃったけどさ。
水中の高杉なんか滅多に見れねえぞ?濡れた着物越しだと体温とか結構伝わってきてさ…
酒でも飲まなきゃやってらんないくらい久々にキタんだよ。
だから、だから目の前で新八君と楽しんでるとこ悪いんだけど…
「ぎんとき、」
ふと我に返ればいつの間にか食事は終わり、高杉がジッと見ている。
俺の膝に手を置いて、猫のようだ。
「あれ、」
「ククッ…恋人ほったらかして考え事たァ、寂しいね。」
唇に軽く触れる唇。
「はっ…!?ちょ、お前新八が…」
「小僧なら気を聞かせて買い出しに行ったぜ?誰かさんが黙り決め込んでたもんでな。」
そう聞いて、銀時は漸く目の前の高杉を抱き寄せた。
「いっちょまえに嫉妬たァな…」
「好きなんだから仕方ないんですー…」
「ふん、昨日の俺の気でも知るが良いさ。」
小さく呟かれた言葉に「へ?」と声を出したが、それは高杉の唇によって塞がれてしまった。
おしまい
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