09/29の日記

18:38
まなみ様リクエスト
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「ぃ…っ」

隣から小さな呟きが聞こえたのは高杉が熱燗に口をつけた瞬間だった。

「なに、どうした?」

「いや、ちとアレがな…」

高杉は些か眉を寄せて酒を含む。

「アレがなって言っても…アレって何よ?」

「うるせェ、口内炎だ。」

「ブハッ」と思わず銀時は笑う。

「何お前、いい年して口内炎に苦しんでんの?」

「うるせェな。まぁテメェの生涯救われねェ、救いようもねェ天パの苦しみに比べりゃマシだろうがな。地味に痛てェ。」

「オメーに天パの何が解んだコラ、つか口内炎痛いからって八つ当たりすんじゃねぇよ。」

「アホか、んなもんで八つ当たりするかよ…」

「不健康な生活してるんじゃねえの?どれ、見せてみ。」

「ん、」

高杉は口を開けて右を指す。

「あー…これか、ちょっとデカイな。」

高杉の右側、唇から少しだけ奥の場所に確かに口内炎はあった。

「元は小せェのが二個あったんだが、腫れて一個にくっついたみてェだ。」

「軟膏は?」

「使ってねェ、口内炎ごときで大袈裟だろ。酒は飲むし、塩塗った。」

「聞くだけで痛いからやめろ、てか塩塗るなよ…痛いだろ。」

「最初チリチリ痛てェし鬱陶しくてよ、苛々して塗ったらこうなった。今は塗ってねェよ。」

「馬鹿だろ、いや馬鹿なのは知ってるけど…仕方ねぇ、俺の愛の力で」

「治るまでキスはしねェからな。」

今まさにしようとした事を止められて、銀時は高杉の肩を掴んだ。

「…治るまでってどんくらい…?」

「治るまでだな。」

「つまり今日はキスしないと。」

「たりめーだ馬鹿。」

「ふざけんなコルァ!塩塗って酒も飲むのにキス駄目って何だコラ!!」

「人間の唾液には…」

「いや生々しいから言わなくて良いけど…でもそのお陰で免疫つくんだぜ?一番の治療じゃね?」

「刺激を避ける為に歯磨きしか出来ねェんだぞ。」

「すいません、歯磨き以外に何すんの?あ、嗽とか?」

「モン○ミン使えるようになるまでキスなんざもっての他だ。」

「あ…そう…確かにモン○ミンは刺激強いからな。」

一瞬納得してすぐ銀時は却下した。

「待たんかいィィッ!おまっ…モン○ミン使えるまでキス駄目って何週間禁止する気!?もし其れが治っても他に出来たらまた駄目って事だろ!?」

「そうだな、口内炎がある限り禁止だな。」

「ふざけんな!んなの納得いくか!」

「テメェの欲のせいで俺の口内炎が酷くなっても良いってのか…?」

「うっ…」

銀時は高杉と暫し見つめ合った後、がくりと項垂れた。

これまでの人生で口内炎に対して、これ程に憎しみを得た事はない。

「銀時、」

「なに…ちょっと今、立ち直る術を探してるから…」

ふと頬に触れる手に導かれて顔を上げると、唇に感触。

「へ?」

「全てのキスが駄目だとは言ってねェ筈だが…?」

にやり、と悪戯っぽく笑う高杉。

「高杉ぃぃっ!オメーの口内炎は俺が絶対治してやっからな!!」

銀時は高杉を抱きしめ、至る処に口付けた。

やり過ぎてビンタされたけど。



数日して銀時の栄養ビタミン豊富な特別メニューと軟膏(無理矢理塗る)の甲斐あって、高杉の口内炎は無事治ったのであった。





おわり


まなみ様、リクエスト有り難うございました!




フシビ 拝



☆コメント☆
[まなみ] 09-30 15:24 削除
いつも、お忙しい中リクエストに応えていただきありがとうございます!!
口内炎、あれは本当に辛いですよね〜(;´・ω・)甲斐甲斐しく治療?の手助けする銀時が、おもしろかったです(笑)

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