小説 杉
□簡単にはいかないさ
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やがて開くには少し遅かったパラシュートは海に落ちた。
「っは…ぁ…」
水面から顔を出すと桂も濡れた若布の様な姿で同じく呼吸をした。
「…はぁ…無事か、高杉…?」
「……あぁ…。」
桂の台詞に助けを求めた自分だが…今までが今までなだけに何とも言えない気持ちになる。
「やっと…助けを求めてくれたな高杉。」
「……助かっても死罪じゃ意味がねェな。」
「何を言う、死なせはしないさ。この逃げの小太郎が何とでもしよう。」
馬鹿な癖に、妙に頼りがいがあるのは昔からだ。
「……頼りにするしかねェな…。」
小さく笑えば知る声がした。
モサっとコンビだ。
「辰馬…銀時…」
高杉は呟いた。
モサっとコンビは船から高杉と桂を見下ろす。
「低杉〜こっちじゃ!おんしゃ、あげな高いとこからバンジーとはやるのォ!アッハッハ!」
「ヅラァ、とりあえずめんどくせー事になる前に切り上げるぞ!それとテメェ馬鹿杉!今度何か奢れよ!?」
銀時が投げた縄の梯子を上がる。
小言を煩く言われたが今はもう良い。
因みに鬼兵隊や桂の仲間も坂本の快援隊に助けられていた。
銀時や桂の説教を高杉は大人しく聞いていた。
しかし30秒が限界だった様だ。
暫く賑やかになりそうだ。
快援隊は空へ飛んだ。
おわり