小説 弐
□箱詰め
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「…まさかこんな事になろうとはな…」
神妙な面持ちで呟く桂の隣りには明らかに不機嫌な銀時がいた。
「何がこんな事に、だ。毎回毎回ここぞとばかりに出てきやがって…ウザイ!」
「痛い!何をする銀時!」
叩かれた頭を抑えて喚く桂は煩いとまた叩かれた。
状況はこうである。
午後7時半、新しくオープンした大手よりどりショップの裏方手伝い(依頼)の帰り、エレベーターに乗った銀時。
その途中で乗り込んできた坊主姿の桂(買い物)。その手にはンまい棒。
人も殆どいない店内のエレベーターに二人が乗り合わせたわけである。