小説 紐八
□きっかけの肝試し
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坂田銀時、生まれて生きて10年と少し。
昔は色々あったが、今は其れなりに良くも悪くも強くなった。
こう見えて…と言うか、寧ろ『こう見えるから』小さい頃は容姿で虐められてたりしたんだけど。
今はホラ、まあ強いからね。
其れなりに信用出来る奴も出来たし。
…
小学校二年、俺は田舎のある家に引き取られた。
見た目が銀髪で目の色が赤いからと、友達は中々出来なかった。
何も言わないから、余計に勘違いや無視もエスカレートした。
田舎の小学校は小さいから、一クラスが続く。
二年生にもなると皆、それぞれ気の合う奴とつるみだす。
だから途中から来た俺は、容姿の件もあって基本一人だった。
そんなある日…
『おい坂田、お前今日も一人だろ。放課後、特別に遊びの仲間に入れてやるから勝手に帰んなよ?』
「ぇ?う、うん!わかった。」
クラスメートに初めて誘われて、銀時は言われた通り放課後待った。
そして、
「肝試し?」
「そ、裏に小さい神社あるだろ?彼処まで行って帰ってくるだけ!ただし、インチキしたら駄目だから証拠の品を持ってくる。直ぐわかる所に置いてあるから。」
そして夕方の肝試しとやらが始まって、銀時は最後を引いた。
後から知った話、其は皆が仕掛けていた事だった。