小説 紐八
□祭りとお前
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「世の中色んな祭りがあるけど…今時の祭りは人が多いだけの犯罪の元、巣窟だと思うんだよね俺は。」
「ふん、まあ…間違っちゃいねェな。」
「だろ?危ないじゃん、そんなの。やっぱ昔みたいな普通のさ、素朴な奴が良いと思うわけよ。」
「確かに、」
「ただ、やっぱ祭りだから人は多いじゃん。喧しい祭りよりは少ないけど多いじゃん。」
「お前…其処は仕方ねェだろ。」
「だからさ、考えたのよ。祭って屋台で何か買って、外で食うのがメインじゃん?」
「そうか?花火とか囃子とか提灯なんかも有るじゃねェか。風情が有って嫌いじゃないぜ?」
「けど結局は食うか、いちゃつくか、まあ花火に紛れて手を握るとか?浴衣が見たいとか邪な考えが勝ってる訳だから…其はもう祭じゃなくてローションとかゴムとか?ドリンク其の他が頼める某ホテルと変わらねェと思う。」
「祭を汚すな…トラウマになるだろうが。」
「いや、祭を餌に如何わしい事考えてんだよ最近のガキは。だったら浴衣着てホテル行けば良いのにね!」
「…。」