小説 紐八

□初めてのお泊まりは
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小雨の降る夕方、桂は高杉の部屋に居た。


「…なぁヅラ。」


「ヅラじゃない桂だ。どうした深刻な顔をして…」


お前らしくもないと言いながら、桂は高杉を見る。


桂と高杉は昔からの幼馴染みで、桂が高杉の部屋に泊まったり高杉が桂の部屋に泊まったりと言うのも日常茶飯事だ。


今日は高杉から桂を招き、今に至る。


「まあ紅茶でも飲みながら…と言うか、お前の家なのに何で俺が煎れているんだ。」


「今更だろ。」


高杉は紅茶を飲み、話しを始めた。


「お前さ、坂本と付き合って大分経つよな?もう家には泊まったか?」


「な、何だ急に…泊まったが…?」


「…ヤった?」


高杉が尋ねると桂は顔から耳まで紅くして明らかな動揺をみせた。


「や、や、やったとかやってないかとかはしたないぞ…まぁ…ニャンニャン的な事は前提と言うかその…」


「(ヤったのか。)」


反応から見るに泊まって彼是したのだろうと察する。


「と言うか…付き合ってから少しして『一晩と言わず二晩でも一緒に居よう、勿論ベッドでも』などと言われては…腹をくくるしかあるまい。」


「そうか、お前等はドストレートだった訳か……じゃあ、やっぱりしたんだな…。」


「必死だったがな。」


「…。」


「お前は、どうなのだ?その、銀時とは…?」


「…まあまあ…だな。」
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