小説 集似

□卒業しても訪ねられたい教師
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この銀魂高校に於いて卒業生が訪ねて来ないのは自分だけ。


その事実を知った銀八は、尤もらしい試練に珍しく真面目に付き合った。


なのに…


結局は有りとあらゆるボケにツッコミ、最終的には訪問してくれた唯一人の卒業生にさえ名前を間違われて終わると云う最悪な終わりを迎えただけだった。


其の卒業生は確かに言ったのだ、何回も。


『銀八先生』でもなく『坂田先生』でもなく…



「『坂口先生』って誰だコルァァァァァッ!!!!!」


誰も居ない屋上で膝を抱えた銀八は心の限り叫んだ。


「んだよ坂口って!一回だけなら言い間違い、聞き間違いかと思えるけども!間違い無いね!坂口って言ってた!絶対に言った!何なの!?俺は生徒に訪ねてもらえないランキングオンリーワンなだけじゃなく存在しもしない教師な訳か!坂田銀八は要りませんか!!多少の事では落ち込まないけどコレは落ち込……」


「ククッ…俺に気にせず続けて良いぜ、坂口先生?」


いつの間にか我を忘れて叫んでいた銀八の目の前に明らかに楽しそうな笑みを浮かべた高杉が居た。


銀八はサッと青ざめる。
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