小説 充
□不安定がもたらした微睡み
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「高杉、どうした?」
夜0時を過ぎた頃、銀八はペットボトル片手に寝室に入った。
すると、先に寝ていた筈の高杉が布団でぼんやりと座っていた。
「高杉?」
「…眠れねェ…」
「ああ、短時間で熟睡しちゃった感じ?そりゃ寝れないわな。」
銀八が仕方なさそうに笑い隣に座ると、高杉はぼんやりとしたまま呟いた。
「違う、寝てなかったんだ。」
「え?」
「確かに眠くて先に寝ようとしてたんだが…どうしても寝れなかった。」
「…今まで起きてたのか?リビング来れば良かったのに。」
「…なんか、胸が…落ち着かねェ。」
「ホームシック?枕変わったら寝れない子だっけ…?けど高杉は家に泊まるの初めてじゃ無いよな?どうした?」
「それが解らねェから困ってんだろ。銀八、どうにかしろ…」
「どうにかって…お前に解らねーのを俺にどうしろっての…」
銀八はペットボトルの水を飲みながら高杉を見る。
酷く不安そうな、悲しそうな、そんな顔をしていた。
「…お前は何がそんなに不安なわけ?」
銀八は高杉の身体を抱き寄せた。
「不安…?」
懐から高杉が銀八を見上げる。
「要は情緒不安定ってやつでしょ。」
「なんか聞いた事あるな、それ…。」