小説 八
□疑い
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最近、高杉がヤらせてくれない。
いやいや、別に喧嘩とかしてないし?
寧ろ順調でこないだだって俺の下でアンアン喘いで…
あれ?こないだっていつだっけ?
ちょっと待てよ、最後にしたのは…あれ…
カッと眼を見開いた銀時の頭に浮かんだ文字は二つ。
『浮気』か『俺が下手』
「銀時…おい、銀時!」
「はっ…!」
「何呆けてやがるんだ、呼んでも返事しねェから勝手に上がったぜ。」
「…ちょっと高杉君、こっちに来てくんない?」
二人は一先ず和室に座った。
ほんの少し沈黙が流れた後、銀時が口を開いた。
「高杉…正直に言ってくれ。最近なんでヤらせてくんないの…?」
「…。」
「俺としては気になるんだよね、その…例えば!う、浮気とか…俺が下手とか…。」
「…浮気なんざするかよ、別にテメェが下手とかも…」
「じゃあ…何で?」
高杉は気まずそうに黙る
「…言えねー事なの?」
「……」
視線を游がせる高杉に銀時は溜め息をついた。
「…何で、言えねーんだよ…」
「…浮気とかじゃねェよ…」
「……」
「…信じ…られねェか…」
黙る銀時に高杉は立ち上がると、其のまま部屋を後にした。