小説 漆
□こんな感じでどうだろう
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「あ、キャメラ?コレはキャメラなのか?おお…待ちわびたぞ!」
桂は咳払いをするとカメラ画面に顔を近付ける。
「フン、その顔は何故俺が此処にいるのか知りたくて仕方ないと云った風だな?え?教えて欲しい?フフ…そう慌てるな。今から俺がじっくりと教えてやろう…あ、キャメラ擦れた。」
桂はカメラを合わせながら良い具合の距離をとりなおす。
「よし、これで良いだろう。実はな…俺が此処に居る理由、其は出番が来るのを銀時に内緒でずっとスタンバっていたからだ!!フハハハハハッ!!どーだ驚いたであろう!攘夷の会議をエリザベスに任せてずっとスタンバっていたのだ!!」
『スタンバってました』のプラカードを掲げながら喜ぶ桂の頭を初めから居たらしい高杉が叩いた。
「喧しい。」
「痛ァッ!何だ高杉、貴様居たのか?」
桂は頭を擦りながら高杉の方へと向き直る。
「貴様、こんな処まででしゃばりおって…そんなに出番が欲しいなら攘夷志士にでもなりなさい!んもぅッ!!」
「攘夷志士になりなって言われても…俺ァ十分、攘夷志士だと思うんだがな。」
高杉は半ば残念そうな視線を桂に向けた。
「だいたい俺ァ、テメェと違って地道にキャラも守ってるってのに…オメーはボケにギャグに電波にやりたい放題…良いよなァ気楽で。」
「高杉、貴様何が言いたい…?」
「別に?ただ、お前さんの本家とは大違いだって話さ。彼方さんは空気も読めるし誰しもの中心的役割をこなし…誰より何より先を読む術に長けていたらしい。」
高杉は手元の資料を眺めて笑う。
「高杉貴様!其は俺が省かれ者で空気も読めぬただのスタンバイキャラだと云う意味か!」
「よく解ってんじゃねェか。」
「何だと貴様!俺が今流行りのKYキャラだと!そう言うつもりか!?」
「流行ってねェよ、俺でも解るくらいに古いぜソレ。全く本家も気の毒になァ…お前、一回くらい墓参り行ってこいよ。」
すると桂は得意気に笑ってみせた。