小説 漆
□偶には
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「俺とお前である必要があんのか?」
「え?」
突然、高杉が真顔で言うものだからつい俺も驚いた。
「アニメ再々開はめでてェ事だが、此処も銀高で随分やって来た…正直、限界ネタ切れも良いとこだろ?」
「おまっ…限界とかネタ切れとか言うんじゃねーよ!愛に限界が有るかバッキャロォォォッ!」
銀時に肩を掴まれながらも高杉は冷静だった。
「んな事言ったってなァ…」
「馬鹿、お前な!ネタなんざ本当はは3ZとかRを控えてるからで、銀さん本気出したらRばっかだからね、毎日息子スタンバってるから!」
「……」
高杉の隻眼がじっと銀時を捉えた。
「な、何…?」
「…偶には…いや、何でもねェ。」
言いかけて口を閉じた高杉の顔が些か紅い気がした。
銀時は高杉の背中に腕を回すと、開いた片手で頭を支えた。
そして、互いの眼を合わせると其のまま唇を重ねた。
持て余した高杉の手が僅かに銀時の着物を握った。
其れに気付いたか否か、銀時は其のまま口付けを深めていく。
「っ…ん……ンぅ…」
時々苦しそうな声を溢す高杉に軽く呼吸をさせて口付けを繰り返した。
高杉から殆ど力が抜けた処で、ようやく銀時は唇を離す。