小説 語

□万高始めますか。
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「と言う訳で今回から万高が始まるでござる。」

「…。」


早春3月の末。


万事屋の長椅子に銀時と対する形で座っている万斉、そして高杉。


その間に沈黙が訪れる、事はなかった。


「どう言う訳?」


銀時は万斉の頭を机に叩きつけながら尋ねた。


「いだだだだだだッ!痛い!!おのれ…」


万斉は机にぶつけた額を擦りながら恨めしそうに銀時を睨みながら続けた。


「だから!今回から万高を始めると言って…」


「え?聞こえないんだけど。」


銀時は再度、万斉の頭を机に叩きつけた。


それを見ていた高杉が口を開く。


「まぁ、今まで殆ど銀高だけでやってきたけどよ…よく考えてみたら銀高より万高の方が自然だろ?」


「全然。自然じゃないと思う。」


銀時はきっぱりと言い放ったが高杉は小さくため息をついて言葉を続ける。


「まぁ聞けよ。俺はお前の敵だろ?遥かに万斉と居る時間の方が多いじゃねぇか。」


銀時の眉間に皺が寄る。高杉は其を眺めながら続ける。


「お前や万斉がよく言うように、俺が受け側と言う其れが正しけりゃ…確率的に万高が多い筈だろ?俺と万斉は鬼兵隊内でも殆ど一緒に行動してる訳だし、だったら銀高より万高のが話も通じやすいだろう。アニメも終わる以上…お前が表で主人公やってる間に裏で万高やってる方が自然なんだ……って万斉が言ってた。」



「やっぱりテメーの入れ知恵じゃねぇかァァァァァァァァ!!!」



「フン!何とでも言うが良いわ負け犬め!出番の無い晋助の気持ちを分かち合えるのは同じく出番の無い拙者!敵と主人公は相容れぬ!短編ならばとっくに終わっている設定でござる!!」
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