小説 語
□心に名残の雪
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「あ、銀さんやっぱ降ってきましたよ雪。天気予報当たりましたね。」
和室に居た新八は窓を開けて空を見上げる。
「暫く晴れてたのに…積もりますかね?」
後ろを振り向けば、相変わらずジャンプを読み耽る銀時が居た。
「今更雪くらいで騒ぐんじゃねーよ。異常気象の時代だ、人間達の諸行に地球がお怒りなんだよ。もうぶちギレてんだよ。取り敢えず寒いから窓を閉めろ。」
「アンタのだらしなさには僕もぶちギレそうですけどね。」
「おい眼鏡コラ。銀さんを嘗めんなよ。俺はな、ジャンプを読む事で心の光をチャージしてんだよ。オメーみてぇに薄曇った心にならないように努力してんだよ。」
「うるせーよ!駄目人間の代表が何言ってんだァァァァァァァァ!!」
その時、ガラリと玄関の扉が開いた音が聞こえた。
「ただいまヨー!」
「ワンッ」
「あ、神楽ちゃんと定春帰ってきましたよ。」
新八は玄関へ向かう。
雪に濡れなかったか、とか大丈夫だ、とか…そんな会話を耳にしながら銀時はジャンプを閉じる。