小説 杉
□食べ方は人それぞれ、見方も人それぞれ
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「ほら、出来た。これお前の分「要らねェ。」
万事屋のリビングに居る二人。
出来たてのクレープを差し出した銀時と差し出された高杉が居た。
その対面する二人の間には机に置かれたホットプレートが一台。
「高杉ィ…恋人の俺がせっかく作ってやったものを食えねぇとはどういう事?」
「恋人だろうが関係ねェだろ。甘ったるいのは嫌なんだよ、せめて野菜挟め。何かあんだろ?」
「クレープに野菜だァ!?許す訳ねぇだろそんな邪道!良いから食えよ、お前がクレープ食って口とかにクリーム付けてんのが見たいんだよ。」
「見たいんだよ、じゃねェよ。馬鹿か?」
「…じゃぁわかった。俺が一人食べますよ…美味しいのに…」
銀時は自分が高杉へ作ったクレープを見つめて口にした。
「…おい…」
銀時を見ていた高杉は、余りに寂しそうな銀時の側へ寄った。
「んだよ?まだ何か………あ。」
銀時が手にしていたクレープを高杉が口にした。
銀時は驚いて眼を丸くする。
多めに包んだクリームがクレープ生地から溢れる。
銀時はクレープを持っていた手から力を抜く。
クレープは支えを無くし、高杉がくわえたままの状態になった。
落ちない様に慌ててクレープを持つ高杉を銀時は見詰める。
「…テメェ、急に離すなよ。」
高杉が銀時を見返す。
「いや、だって高杉…クリームついて…いろいろヤバい。」
高杉は呆れた様に銀時を一瞥し、クレープを食べた。
「甘めェ……でも何か…美味い…。」
「高杉、エロい。」
ニヤニヤ笑う銀時をとりあえずしばき倒す事にした。
終わり